だから、君を愛してる II (ページ33)

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苦手だったオカンページ33

苦手だったオカン

村上くんが苦手だった。

いつだって人の心に土足で入り込んでくる村上くんが苦手だった。

だけど、それを覆した出来事があって、あれはデビューして2年くらい。

村上くんに誘われて一緒にご飯に行ったとき。

苦手だっていうことが悟られたくなかったから、二人でご飯に行くことを断ったことは一度もない。

話は仕事の話になって、村上くんは真剣な顔をして私に言う。

「李々、そんなに自分押し殺して辛くないんか？」

私は驚いてただ村上くんを見返した。

最近はグループでの仕事も少しずつ増えてきて、バライティー番組にメンバー揃って出演することが多くなった。

その中で私は批判から逃れるためあまり目立たないように意識してきた。

「もっと前に出てええんちゃうか？」

「…そんなことしたら、また悪口言われるだけだよ。」

そんなこと言われたくない。何も知らないくせに。

そう思った私は投げやりにそう言うと、村上くんはため息をついた。

「お前な、そんなことに怯えてどうすんねん。」

「だって…、」

応援してくれている人がいるのは百も承知だけど、時々考えてしまう。

私がいなかったら、関ジャニ∞はもっともっと上にいけるんじゃないかって。

「俺は李々をアピールして売れていきたいと思ってるで。他のどのグループにも負けない武器にしたいって。」

いらんこと考えるなよ、と村上くんは軽く私の頭を叩いた。

「もっと自信を持て。選ばれたんやから誰が何を言おうが堂々としてたらいいねん。何か言われたら俺がそいつに言ってやる。李々はこんなにも頑張ってるんやって。」

村上くんはそう言っていつものように八重歯を見せて笑った。

「年上三人が目立ちすぎやからやん。」

今まで苦手だって思ってたことが恥ずかしくなって私が俯いてそう言うと、村上くんはそれもそうやなと言って私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。

ー苦手だったオカン
(今は世話焼きオカン)

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村上くんはいつも李々を気にしてたって話。