そんな未来があったなら ページ26
そんな未来があったなら
仕事帰りに李々の家に行くと、甥っ子の圭ちゃんを抱っこした李々が迎えてくれた。
まだお喋りが上手くできない圭ちゃんは俺を見てあうあうと声を出した。
「どうしたん?」
「お兄ちゃんと奥さんが東京観光してる間、預かることになったの。」
圭ちゃんを抱っこしながらお話す李々はまるでお母さんみたいで思わず笑みが溢れる。
「どれくらい?」
そう聞きながら、俺は圭ちゃんを抱っこした。
「夜ご飯食べて帰ってくるって言ってたよ。」
李々が抱っこしてもらえて良かったね、と笑いかけると、圭ちゃんは嬉しそうに笑った。
その後は圭ちゃんが好きだという人形で遊んだり、読み聞かせをしたり。
仕事で疲れてるはずなのに、圭ちゃんと一緒にいると何だか元気をもらえるような気がして、子供っていいなって思った。
「子供欲しいな。」
遊び疲れて寝てしまった圭ちゃんを撫でながら、思ったことをそのまま口に出す。
「子供?」
首を傾げて俺を見る李々を抱き寄せた。
「そう、子供。可愛いじゃん。」
「男の子?女の子?」
「女の子がええな。李々は?」
「どっちでも。」
自分の子供ならどっちでも可愛いよ、と李々は言って俺の肩に頭を乗せた。
「李々に似てたらめっちゃ可愛いやろうな。」
「忠義に似てたらめっちゃ食べるだろうな。」
「…そこはかっこいいって言うとこやろ。」
えへへと笑う李々が愛しくなって、俺はその唇に口付けをする。
李々は驚いて俺を見た。
そんな李々の顎をクイっと上げる。
「子作りしちゃう?」
「…バカじゃない?」
李々はそう冷めた目をして言ってくる。
だけど、そのあと二人して笑い合った。
俺たちが結婚したらこんな感じなのかな。
ーそんな未来があったなら
(僕は全てを捧げるよ)
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大倉と子供の組み合わせが好き。
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作者名:しゃち | 作成日時:2016年10月26日 12時