だから、君を愛してる II (ページ20)

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繋いだ手からページ20

繋いだ手から

思わず抱きしめそうになった。

あんな顔で見つめられたら、その涙を拭いてあげたくなる。

泣きたいはずなのに、その気持ちを自分で気付かないくらい鈍感な彼女の涙を拭くのはいつだって俺の役目だったはずなのに、それはもう出来ない。

自分で選択したことなのに、やっぱり遣る瀬無い。

李々の気持ちなんて考えず、自分の軽い気持ちで誰かと付き合っていた。

ーそんなこと言うなら、ちゃんと捕まえていてよ！

「…ほんまやな。」

李々に言われた言葉を一人思い出して涙が溢れてきた。

最初から李々を捕まえていれば、こんな気持ちしなくて済んだのに、臆病な俺はその言葉が言えなかった。

「好きやねん…ずっと。」

どんな女といても、どんな女を抱いても、いつも李々を考えてしまう。

「李々じゃなきゃ、あかんねん。」

今更そんなこと言ったって、届かない。

「…どうしたらええの。」

涙は冷たく、留めなく流れていく。

俺の悲痛な心の声は一人きりの車の中で響くだけだった。

ー繋いだ手から

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二人とも臆病です。