だから、君を愛してる II (ページ17)

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Catch me -3- ページ17

Catch me -3-

あれから李々は家に帰って来なかった。

次の日も、次の日も、家に行っても李々はいなかった。

仕事で顔を合わせたこともあったけれど、会話もなく、目も合わなかった。

「はぁ…、」

何度目か分からない溜息をつく。

なんであんなこと言ってしまったんだろう。

「大倉、ちょっといい？」

一人落ち込んでいると控え室の扉が開き、二宮くんが顔を出した。

「二宮くん、どうぞ。」

今日は単独の雑誌の取材で、確か前の時間は嵐さんが取材を受けていた。

二宮くんは俺の座っている椅子の隣に座った。

あまり二人きりで話したことがないから緊張で体に力が入る。

「李々は俺ん家にいるから。」

「…へ？」

突然告げられたことに俺は間抜けな声が出た。

「あの後、俺ん家に来てさ、そのまま居座ってる。」

まぁ、俺が呼び出したんだけどさ、と続ける二宮くんに俺はそうですか、と頷いた。

「李々のこと、どう思ってるの？」

ストレートな質問に俺は上手く言葉が出なかった。

「俺はさ、好きだよ。」

その顔が今まで見たことないくらい優しくて、

「今でも好き。だけどさ、俺らは恋人になることはやめようって決めた。だから、もう割り切った関係なわけよ。」

そして、儚かった。

「大倉もさ、一人の女性として好きなのか、メンバーとして好きなのか、はっきりした方がいいよ。」

そうじゃないとさ、

「大倉も、李々も、苦しむだけだよ。」

分かってる。そんなこと分かってる。

「まぁ、大倉は俺と違って同じグループだから難しいのかもしれないけどさ。」

そう言って立ち上がり控え室を出て行こうとした二宮くんの背中に声をかける。

「二宮くんなら、どうしますか。」

俺の声に二宮くんは立ち止まる。

「同じグループに好きな人がいたとしたら。」

しばらくの沈黙のあと、

「その答え聞いてどうするの。」

二宮くんはそう言い残して出て行った。

ーCatch me

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恋のライバル。だけど、時に仲間。