想いが過去に変わって -11- ページ12
想いが過去に変わって -11-
もう自分の気持ちに嘘はつけない。
友達でいられればそれで充分だとか、一緒に過ごせればそれで充分だとか。
そんなことない。
李々ちゃんを抱きしめたい。キスしたい。
そんな自分の気持ちに蓋をしてきたけど、1度目の告白から3年経った。
もう、李々ちゃんへの想いが蓋から溢れ出してきそうで限界だった。
「ねぇ、李々ちゃん。」
一緒にご飯を食べた後、俺の家で映画鑑賞をするのが習慣になった。
隣に座り、身体を少し寄せ合って映画を観る。
テレビ画面に映画のエンドロールが流れていて、俺は李々ちゃんを呼びかけた。
「ん？」
「あのさ、」
李々ちゃんの綺麗な瞳が俺を捉える。
「俺、やっぱり李々ちゃんが好き。」
李々ちゃんの瞳が揺れた。
「今まで一緒に過ごす中で、俺はやっぱり好きだって、前よりも好きだって。これからもずっと一緒に過ごしたいって思った。」
俺で良ければ、付き合ってくれないかな。
映画を観ながら考えた最後の台詞は自分でも分かるくらい声が震えていた。
李々ちゃんは何も言わず、映画のエンディング曲が流れ続ける。
実際は数秒だったかもしれないし、数分だったかもしれない。
だけど、李々ちゃんの声を聞くまで、俺は何年も何万年も待ったような気がした。
「…こんな私で良ければ、」
李々ちゃんはそう言った。
「よろしくお願いします。」
そう願っていたはずなのに、いざその言葉を聞くと、俺は何て返していいのか分からなくなった。
「ほんと、に？」
李々ちゃんは恥ずかしそうに頷く。
「俺と付き合ってくれるの？」
また頷く。
俺は李々ちゃんの手を引いて、自分の腕の中に閉じ込めた。
「夢みたいだ。」
心の底から欲しかった李々ちゃんの体温が、今自分の腕の中にある。
「夢じゃないよ。」
その言葉を発する唇を指でなぞる。
あとは熱くなる身体に身を任せるだけだった。
ー想いが過去に変わって
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結ばれた二人。
お題配布元::確かに恋だった
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作者名：しゃち | 作成日時：2016年10月26日 12時
