幼なじみのキミ【名前変換】４

Story.192 ページ42

#翔太Side









((あった?))

翔太「ん、ちょっと待って。」









・









喫茶店の衣装が完成するまで

裏方の大道具係りになった俺は、









ケータイを耳に挟み瑞希に言われたとおり

倉庫の中にある工具を探す。









・









翔太「お、あったあった。今から戻るわ。」

((りょーかい。))









・









通話を切って両手に工具を持って。

思いっきり息を吐けば弱い白い吐息が出てきた。









・









秋の美術祭の画が完成してあれから2週間。









オレンジや黄色に色づいていた葉は

いつの間にか寂しい落ち葉となっていて。









もうすぐ寒い冬が来るんだと実感させられた。









・









早く戻って教室で暖まろ。

そう思って少し足を速く動かしたときだった。









・









「あのさ、トロトロしてないで

さっさとしてくれる?」









「うちら用事があるんだけど

あんたのせいで遅れるじゃん。」









・









通りかかったクラスから

女子たちの低い声が聞こえてきて、









・









んだよ、ただの女子の言い争いか。









つーか、担任はどうなってんだよ。

注意しないのかっての。









そう思っただけで

普通に通り過ぎようとしたのに…









・









「ちょっと、その言い方はないんじゃないの?」









・









聞き覚えのある声が耳に届いて

俺は歩いていた足を止めた。









・

Story.193→←Story.191

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す