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刻刃の二人は、討伐の後始末をして元の時間に戻ると言った。
「それは俺達に任せろ。お前達は自分の時間に帰れ」
此処は刻刃家の隠し別邸の一つらしい。
これから此処を破壊すると言われた。
「私達の時間よりも前に崩壊していたのだけど…この事で海里がズタボロにしてくれたって事なのね」
祈は納得したと頷く。
どんな壊し方をしたのかは……怖いので聞かないでおこう。
「……あれ？」
そこでAは一つの疑問が生まれて首を傾げる。
「なら、どうやって私達がこの時間に居るのを特定したんですか？」
てっきり海里達の生きる時間に連れて来られたと思っていた。
しかし話からすると、それよりも更に昔の時間らしい。
「こ〜こ」
その時、五条が制服越しにAの首筋に触れた。
「何があるか忘れてるでしょ？」
五条の触れている首筋、その下にあるのは……
離れる前に付けられた、呪力を込めたキスマーク。
「時間を廻りながらこの残穢を探して見付けたの」
「あ……」
そんな探し方をしたのか。
恥ずかしくてAの顔が赤くなる。
(キスマークの正確な場所は硝子姉さんにも言って無かったのに……！)
恥じらいを感じると共に、危機感が感じられた。
(首筋に残穢なんて……絶対に海里さんが怒る！！)
案の定、海里がキレて暴れ………る前に。
祈がその足を力一杯踏みつけて止めていた。
海里と祈は、案外かかあ天下の家庭になるかもしれないと、五条とAは思った。
「海里さん、祈さん、お世話になりました」
「また未来で会いましょう」
Aと五条は刻刃の二人に別れを告げる。
未来で再び会えるかはわからないが……
(もし会えたら、悟さんを恋人として紹介したいな)
そんなAの気持ちを知らず、二人は別れの挨拶を返す。
「気を付けてね」
「……さっさと帰れ」
二人に笑顔を返して、Aは組み紐で自分と五条の足下に円を描く。
「元の時間に廻り還れ」
そう呟くと、二人の姿は薄くなり……やがて海里と祈の前から姿を消した。
「何だか、五条のお嬢さんと別れるのが寂しく感じるわね」
祈はほんの少し涙目になってそう言った。
「なら、お前があんな子を産めば良いだろう」
海里の言葉に、祈は驚いた顔をした。
「海里…」
「順番が逆になっちまったが、俺は、お前の事……」
海里の想いが告げられるまで、あともう少し……
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
