一文無しになった女がキャバ嬢(っょぃ)になる話 ページ4
ーー今思えば、これは遺伝の一種なのかもしれない。
目の前の男の人に見守られながら(そんな見守るなんて可愛いもんじゃない)震える手で判子を押す。
私は、借金返済のために働いていたキャバ嬢の母と、その頃のお客様だった父との間にできた子だ。
だからと言って望まれて出来た子ではなかった、というわけではない、むしろ愛されていた方だ。
しかし母は結婚と同時にキャバ嬢をやめ、私が18歳の頃、父の会社は倒産。残ったのはわずかな金と、娘の私のみ。
進路のことで私は一度就職も考えたが、母と父がそれを聞いて泣いた。大学に行ってくれと、
そして国立大学に死ぬ気で合格、母と父はまた泣いた。
私は死に物狂いで4年間勉強した。
そして春先、今年の4月、大手ではないがそこそこの企業に就職。
母と父はもう大号泣だった。
それから
つい1ヶ月前、上層部がヤのつく職業の人達と手を組んで、金をヤクに回していることが発覚。
そして、会社は倒産。
母と父はもう泣かなかった。
しかし、それだけなら、まだ立ち直る見込みはある。
だが当時、私は、信頼の置ける親友の借金保証人になっていた。
もう想像がつくと思うが、その親友は音信不通。
風の噂だと、ホストに貢まくり、そのホストと海外へ逃げただとかなんとか。
十年来の親友より知り合って2週間の彼の方が、彼女にとっては大切だったらしい。
私はそこで、初めて泣いた。
私に残ったのは、所持金数十円と大量の借金のみ。
両親に申し訳ないが、ソウルの海に身投げしようかとまで考えたとき、私の部屋から家具を運び出す借金取りから声がかけられた。
「ねえヌナ、僕いい働き口を知ってるんですけど、紹介してあげましょうか？」
ーー
私に選択肢など無かったのだ。
私が生まれた時から。
目の前の男の人は、私が押した判子を確認すると、そのでっかい目を細めて笑った。
「ようこそ！"Blue&Pink"へ！」
ーー
数ヶ月後…
「おい！ユンジョンハン！ちゃんと掃除する！」
「ヤダー、スルチョルがやるし。それよりA〜今日の夜どっか行こうよ〜」
「嫌です！ほらスルチョルさんは言いなりにならない！こら！ウォヌくん！お店のやつつまみ食いするなって何度も！」
「え〜じゃあA何か作って」
「無理忙しい！あああジュンは何もしないで！ほらまた花瓶割って！」
「ハルスイッソ！次は大丈夫だよ〜」
「大丈夫じゃない！もう！！！誰かどうにかしてーー！！！！」
そういうお話。
一緒に写真撮ってインスタにあげてもらいたい系男子→←水泳部2
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ヤマシロ(プロフ) - rateさん» ご報告ありがとうございます！申し訳ないです(; ; ) (2016年7月26日 22時) (
レス) id: 78bb4ab01d (このIDを非表示/違反報告)
rate - オリフラがたってますよ (2016年7月25日 23時) (レス) id: 5a2aa250eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤマシロ | 作成日時：2016年7月25日 6時
