ブソクと電波少女3 ページ17
ブソクと電波少女3
「へ〜、あのこ、Aっていうのか」
「でもあいつ、かなり変ですよ」
「そうなの？」
「はい、授業中に突然立ち上がったかと思えば『エルグ彗星が呼んでる、先生！交信してくる！』って飛び出してったり、体育でランニングしてる最中に倒れたと思ったら寝てたりするんですよ！」
「そ、それはすごいな……」
他にもベランダからジャンプして無傷だったり……もっといろいろヒョンに聞いてもらいたいことがいっぱいあるが、また今度にしよう。
そうこう話してるうちに音楽室前に着いた。
「あれ……？」
鍵を開けようとしたけど、かかってない。
おかしいな、僕が鍵を持ってるのに。
不審に思って扉を開けようとすると、部屋の中から、なにやら声のようなものが聞こえてくる。
「あ、これ……」
どこかで聞き覚えがあった。
隣のヒョンも何かを思案しているような顔だ。
ドアノブに手をかけたまま聞いていると、その声が歌声だとわかった。
澄んだ声で真っ直ぐな音程が、僕たちの耳に届く。
……綺麗な歌声、それでいて、ブレてない……
その声の主は誰だろうか、好奇心が急いで扉を開ける。
そこには、今まさに話をしていた"A"がいた。
ヒョンの息を呑む音が聞こえた。
「……聞こえましたか？聞こえましたか？ピピピ……ビビビ……受信しています。ピピピ……」
そこにはコードのささってないヘッドフォンをして、ピアノに腰掛けるAがいた。
意味のわからない独り言をつぶやいて、窓の外、空高くを見つめていた。
「……おや、妨害電波受信。この電波は……イ・ソクミンとブ・スングァン」
ふとAが振り返る。
その瞳が不思議に輝いて見えた。
「いつもキミたちの歌声は私の第8彗星帯に届いてるよ。残るはキミ達だけになった。いつも感謝してる、ありがとう」
初めて見た彼女の笑顔に、僕たちは言葉も出せなかった。
ーー
続く (更新停止中)
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ヤマシロ(プロフ) - rateさん» ご報告ありがとうございます！申し訳ないです(; ; ) (2016年7月26日 22時) (
レス) id: 78bb4ab01d (このIDを非表示/違反報告)
rate - オリフラがたってますよ (2016年7月25日 23時) (レス) id: 5a2aa250eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤマシロ | 作成日時：2016年7月25日 6時
