恋愛のカタチ【名前変換オリジナル】 (ページ8)

今日:2 hit、昨日:13 hit、合計:6,066 hit

歌ページ8

　
　
私は歌手を目指している。

誰かに自分の歌を聞かせるのは

とても好き。

そして歌ってるときは

自分に素直になれる。

嫌なことがあっても

メロディにのせてしまえば

全部忘れられる。

私は去年の冬から

ストリートパフォーマンスを始めた。

わかりやすく言えば、

ストリートミュージシャン、というもの。

駅前でアコースティックギターと

マイクと、ミキサーと、スピーカーを使って

忙しなく歩いている人

何の目的もなく歩いている人

必死にティッシュを配っている人

いろんな人に

歌声を届ける。

その人たちが、

私の歌を聞いて

何かしら心に灯してくれたら

良いな、と思っている。

私は週に3回、

月、金、日にこの活動をしているけど

必ず毎回、

私から見て右側の方で

見てくれている人がいる。

雨の日も、

雪の日も、

暑い日も、

寒い日も、

その人は、私の歌を

しっかり聴いてくれていた。

今日も準備が終わって

パフォーマンスを始める。

いつもはコピーばかり歌うけど

今日は初めて

自分のオリジナルの歌をやってみる。

一見恋愛の歌に聴こえるけど

本当は永遠の友情を歌った歌。

歌っているときは

心が軽くなる。

他のことは何も考えないで

ただ今の歌、時間に集中できる。

　

演奏が終わると

かなりのお客さんが集まっていた。

そして右側にはいつもの君。

この曲は手応えありかな？

パフォーマンスが終わって

片付けをしていると

誰かが話しかけてきた。

「あのー、」

『はい？』

顔を上げると

そこにいたのは

いつも右側で

わたしの歌を聴いてくれている人だった。