ま え が み ページ1
高校に入学してからだいぶ経つ。
もう3ヶ月は経つかな？
この前体育祭も終わって、
クラスの絆も深まったはず。
しかし暑い…暑すぎる…。
今年の夏は暑いって聞いたけど
ここまでとは…。
そしてその暑さを作っている一つの原因がある。
わたしの前髪だ。
高校デビューするために
少し伸ばして毎朝巻いたり、
時には三つ編みしたり。
だけど面倒くさいし、
湿気で巻きはすぐ取れる。
だから決心した。
前髪を切ろう。
早速週末に美容院を予約して、
前髪を切ってもらい、
後ろ髪も少しすいてもらう。
美容師さんに
「かわいくなったじゃん」
って言われて、
それをそのまま鵜呑みにしてしまうわたし。
週明け学校に行くと、
友達からたくさん声をかけられる。
「前髪切った？」 「かわいい！」
「似合ってるー！」
そんなお世辞に、一応
「ありがとう」
と笑顔で返すわたし。
「ねえ。」
横から声が聞こえた。
その声の主は隣の席の増沢くん。
いつもチャイムぎりぎりで
教室に駆け込んでくるのに、
なのに、頭がよくて、
席替えしてからはよく勉強を教えてもらっている。
そしてみんなの 人気者。
だけど今日は早く来ているみたい。
なんかあったのかな？
『なに？』
「あのさ、なんか変わった？」
『うん、前髪切ったの。』
「そっか。」
そして増沢くんは
実は入学してから
私が少し気になっている相手でもある。
「……って…ん。」
『ん？聞こえなかった。』
「だから…
似合ってんじゃん、それ。」
そう頬を赤らめながら言う
増沢くんに驚いていると
朝のHRを知らせるチャイムが鳴った。
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作者名：み か ん | 作成日時：2018年8月22日 2時
