16 ♪ 永遠をこの手に誓う ページ17
翌日ーー
トキヤ「…それで？結局 あなた方は晴れて両思いとなった訳ですか」
お昼休み。Ｓクラスにいたトキヤ君を中庭に呼び出し、事の顛末を報告した。
「はい…一応」
トキヤ「それはわかりましたが、何故私に報告を？」
怪訝そうに首を傾げる彼。
「前に、トキヤ君言ってたでしょ？『レンが私を婚約者だって言っていたのはウソなんじゃないか』って」
いつぞやの彼のセリフがよみがえる。
『それに…レンがそう言ったとはとても思えないですから』
トキヤ「…」
トキヤ君のその言葉は、レンの気持ちをーーー私をどう思っていたのかを 知らなければ出てこないはずのもの。
それはつまり…
「トキヤ君は知ってたんだよね？」
目の前の彼を、見つめる。
トキヤ「ーーーえぇ、そうです」
トキヤ君は、静かに答えた。
トキヤ「彼は、貴女の事になると少々周りが見えなくなる癖があったもので。周りに影響しても困りますし、早計に決着をつけて頂こうと発破をかけました」
「なっ、それにしたってなんでわざわざ…」
話は終わったとばかりに背を向けて歩き出した彼に慌てて声をかけると、ピタリと止まり。
トキヤ「見ていてもどかしいんですよ、貴方たち」
背を向けたまま、小さい声が聞こえた。
思わずぽかんとしていると、「あ、忘れる所でした」と少し離れた場所で肩越しにこちらを振り向いて、
トキヤ「まだ言ってませんでしたね。おめでとうございます、Aさん。その指輪、よく似合ってますよ。
ーーー彼と、お幸せに」
そう言って微笑んでくれたトキヤ君の笑顔はとても優しくて、私は気づいてしまった彼の秘密を心の奥に閉まう事にした。
その代わりに、最上級の笑顔で「ありがとう！」と返した。
魔法が溶ける合図のように、予鈴がなる。
白い校舎に吸い込まれるように遠くなっていく彼の背中を見ながら、私はもう一度呟いた。
「ありがとうーーーHAYATO」
私、レンと2人で幸せになる。
左手の薬指に光る指輪に、心の中で永遠を誓った。
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緋桜霧月 - 葉月さん» 読んで下さってありがとうございます。亀更新になると思いますが、頑張ります！ (2016年2月25日 23時) (
レス) id: 6ef3653dc5 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - 続きを楽しみに待っています！頑張って下さいね^ ^ (2016年2月21日 23時) (レス) id: 2fafdf7df1 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - 続きが… 楽しみにしてます♪ (2015年5月6日 22時) (レス) id: 36f605e37d (このIDを非表示/違反報告)
カヅサ(プロフ) - 続きがすごく気になります！頑張ってくださいヾ(*´▽｀*)ﾉ応援してます！ (2015年5月6日 18時) (レス) id: a768eb44a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋桜霧月 | 作成日時：2015年4月5日 20時
