十五話 ページ16
「正門君。」
廊下を歩いていた時、後ろから正門君が手を振りながらこっちに寄ってきた。
「一人なん？珍し。」
「いや、梨子西畑君と帰るって。ということは正門君も…。」
「一緒一緒。吉村さんと帰るからって断られたわ。」
お互い寂しい奴やなぁ、なんて彼が笑いながら言った。
「せっかくやから一緒に帰る？一人で帰るっていうのも嫌やろ。」
「そうしようかな。じゃ、帰ろ。」
そんなこんなで、正門君に誘われて今日は彼と一緒に帰ることに。
ちょこちょこ話したことはあったけど、それでも少し緊張はする。
歩き出す彼の横を、私も一緒に並んで歩き始めた。
「そういえば、小島さんなんかあったん？」
「え、何が？」
「いや、声かけた時ちょっと元気なかったから。」
気の所為やったらええんやけど、と心配したような顔をされた。
私、そんな顔しとったんか。
まあ、女子の裏事情を色々言っても引かれるかなと思ったから
「ううん、大丈夫やで。大したことちゃうし。」
とりあえず否定の言葉を入れといた。
「そっか。ならええんやけど。」
クシャッとした笑顔に、不覚にもキュンとしてしまった。
優しいんやなぁ、正門君って。
健からめっちゃ優しい先輩やで、とは聞いてたからまさにその通りだった。
そこからは、意外と会話が弾んだ。
今度の合同演奏会の話だったり、お互いの友達の話だったり。
その時間が楽しくて、あっという間に分かれ道に来てしまった。
「私、ここやから。」
「あ、そっか。気いつけて帰ってな。」
「うん、正門君もね。」
「………あのさ、小島さん。」
急に正門君が真剣な面持ちになったので、なんだかこっちも自然と背筋が伸びた。
「連絡先、交換しませんか？」
「え？」
「あ、いや別に特に意味も無いんやけど！ほら、お互い好きな人居るのも分かっとるし。
でも、意外と俺ら共通点あるから。純粋に友達として仲良くなりたいなって。」
「………ふふっ、」
なんでか必死になってる正門君が面白くて、思わず吹いてしまった。
「なんで笑ってるん。」
「いや、なんか面白くて。良いよ、交換しよ。」
私達はお互いスマホを出して、無事に連絡先を交換した。
友達の一覧には、1番上に正門良規としっかり表示されている。
「じゃあ、また明日。」
「うん、バイバイ。」
手を振りながら挨拶を交わして、お互いの帰路へと進んでいった。
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みぃ☆ - 良くんの格好よさが、存分に出てる！読んでて、ニヤケが止まらんっ！ (息子2人が出てくるとこの、みっちーの漢字、間違えてますよ！駿佑です！佑が、裕になってます。これは、関ジャニの横です。) (2019年10月5日 21時) (
レス) id: 38f9af8661 (このIDを非表示/違反報告)
天巫 - このお話死ぬほど大好きで何回も何回も読み返してます！番外編とか読んでみたいです！ (2019年3月24日 23時) (レス) id: 9bb5c2db85 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ畑(プロフ) - るるさん» ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2018年9月26日 22時) (レス) id: 645df33719 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 続きがとても気になります!また更新して下さい! (2018年9月8日 15時) (レス) id: c42a8fa214 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ畑 | 作成日時：2018年4月6日 1時
