まだ、間に合いますか？ ページ24
．
先週のあの日、本を返した時に
少し寂しそうに見えた丸山さんの顔を思い出すと
さらに、胸はぎゅうっと締め付けられて。
丸山さん
まだ、間に合いますか？
気付けば、家を飛び出していた。
小さなメモを握りしめたまま、上着とパスケースだけを持って。
タイミングよく来ていたバスに乗り込んで
また、駅へと向かう。
はやく、はやく。
急行で一駅、そこから普通電車に乗り換えて二駅。
そこから、何とか記憶を頼りにして
迷いながら歩くこと20分。
『ここだ…』
この間お邪魔した、丸山さんのマンション。
知らないうちに早歩きになっていたようで、
立ち止まると、すぅ、と息を吸って、吐いて
呼吸を整える。
『……………』
なんか
落ち着いて冷静になってきたら
自分のストーカーじみた行動が不安になってきた。
てか、仕事かもしれないし、家にいるかも
分からないのに突然来ちゃったし…
時刻はちょうど、22時半。
こんな時間に非常識じゃない？とか
丸山さんに引かれるのでは？とか
ネガティブかつ冷静な自分はもちろん
頭の中にいるんだけど。
伝えなくてどうする。
ここまで来た勢いで、頑張れ、わたし！
ずーっと握りしめていたせいで
しんなりとしたメモを見ながら番号を打ち込んで
呼び出しマークをタップする。
prrrr…
ドキドキしすぎて、心臓が痛い。
prrrr…
《ーーーはい》
で、出た！
その声に、一瞬ひゅっと息を飲む。
『ぁ、あのっ
ーーーわたし、中野です！』
《えっ》
『ま、丸山さん…ですか？』
《そう、です》
そわそわしながら、丸山さんの部屋がある
6階辺りを見上げる。
『……えっと、今、大丈夫ですか？』
《中野さん？》
『…？はい
丸山さん、今どこ』
に
｢中野さん！｣
言いかけた言葉を遮るように
後ろからよく知ってる声に名前を呼ばれて
遅れて、スマホから聞こえてきた声が重なる。
黒のダウンジャケットに
ふわふわの茶色い髪の毛
振り向くと、目に映った駆け寄ってくる
会いたかった人の姿が夢みたいで。
また、喉の奥から熱いものが込み上げてくるのが
分かった。
．
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ひまわり(プロフ) - ましさん» このお話を書く時にタイトルを1番悩んだので、そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです！ここまで読んでくださって本当にありがとうございました(〃^ω^〃) (2019年8月17日 11時) (
レス) id: 197b394e1e (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - あやたんさん» コメントありがとうございます！だいぶ時間が経ってしまいましたが、その後の二人のお話を書き始めましたのでまたお暇な時に覗きに来ていただければ嬉しいです^_^ (2019年8月17日 11時) (レス) id: 197b394e1e (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ちえっちさん» コメントありがとうございます〜！実は青の方の丸ちゃんのお話は私自身涙ながら書いていたので、これ読んでる人も泣けるのかな…と不安になっていたのですが、そう言っていただけて嬉しいです(/ _ ; )だいぶお待たせしましたが、続編もよろしくお願いします〜！ (2019年8月17日 11時) (レス) id: 197b394e1e (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ゆうさん» お優しいコメント、嬉しすぎます！青のシリーズの方も読んでいただけてるなんてめちゃくちゃ嬉しいです！１年ぶりとなりましたが続編始動してますので、また遊びに来て下さいね(^^) (2019年8月17日 11時) (レス) id: 197b394e1e (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - kukuさん» 初めまして^_^コメント嬉しいです！両想い…かな？どうかな？って時期、めちゃくちゃ楽しいですよね！その感覚を書きながら思い出してました(笑)だいぶ経ちましたが、続編ではこれからの二人を書いていくつもりです〜 (2019年8月17日 11時) (レス) id: 197b394e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり
| 作成日時：2015年11月26日 19時
