2・気遣い。 ページ10
「は、初めて?」
先生は、スポーツドリンクの入ったコップを私に渡してくれた。
先生「どうぞ。熱中症は、水分補給とかちゃんとしないと、駄目よ。今回は倒れなくてよかったわね。あと、ほら。冷えピタ。」
「ありがとうございます。あの…、初めてって…」
先生「あらら、気になるの?」
気にならないといえば、嘘になるわけで…。なんとなく、本人がいない時にこういう話をするのは、少しだけ楽しかったりする。この際だから、聞いてみちゃおうかな。
「あ、はい…。少し…」
先生「まぁ、武垣くんを毎日見ているわけじゃないんだけどね?武垣くん、いつもしかめっ面してるのよね」
確かに…。私が初めてあった時なんて、凄く睨んでた様に見えて…。実を言うと怖いという印象しかなかった。
先生「それでね、この前、ちょうど見ちゃったのよー。武垣くんが、女の子といるところ。なんか、女の子の方が、沢山資料みたいのもっててねぇ。持ってあげれば良いのにって思ったわ。」
短いため息をつきながら、
「気の利かない男は、モテないわよ。」
と、言った。
部長は、不器用なだけじゃないのかな…。などと、思っていると、
「不器用な男も、モテないわよ。」
先生が笑って独り言の様に、小さく言った。
少しだけ話をした後、先生がベッドまで連れて行ってくれた。
そして、休もうとした時ー…、
ガラガラッッと、勢いよくドアが開いた音がしたと思ったら、バタバタという大きな足音も聞こえてきた。
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作者名:ナナリナ | 作成日時:2015年7月28日 14時