２･夏の部活。 ページ8
ありがとう、と言って部長はみんなの元へ、向かって行った。
今日は前より話してくれたな。
翔音「ごめん！練習長引いて、休憩取れなかったー」
少し経ってから、翔音が、私のところに走ってきた。
「私よりも、練習優先だよ」
翔音「ハハッ、りょーかいっ！それより、暑くない？大丈夫？」
「大丈夫！先輩が、木陰に椅子置いてくれたから涼しいよ！翔音こそ、水分補給しっかりしないと」
翔音「今、飲むよ。ありがと！」
少しだけ翔音と話をした後、
「じゃあ、練習再開しなくちゃ！無理するなよー」と言い、走って行った。
武垣「少し、いいか」
ふと、声が聞こえた。
けど…、
「あ…はい。」
なんだか、自分の声も、部長の声も、少し、遠く聞こえる。おかしいな…、なんで。
武垣「っ！？おい！」
くらっとした瞬間、部長が支えてくれた。
その御陰で、私は椅子から落ちなくて済んだ。
「っ…。あ、りがと…ございます…」
武垣「やっぱり」
部長の顔が険しくなった。私、怒らせちゃったのかな。
「あのっ…」
私の言葉を遮り、部長は
「木陰だからといって、日差しがまったくこないわけじゃない。」と言った。油断してしまった。迷惑、かけちゃったな。
武垣「保健室に行って、休んでから、親御さんにでも、迎えに来てもらうといい。そこまでは、俺が連れて行く。」
そう言うと、部長は私の腕を自分の肩に回す。
「…すみません、ありがとうございます…」
武垣「俺が気が付かなかったせいでもある。気にするな。翔音には、後で説明するから、安心しろ」
部長のせいではないのに。
私、もっとしっかりしなくちゃ…
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作者名：ナナリナ | 作成日時：2015年7月28日 14時
