泣かないで (ページ11)

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心配で。ページ11

先生「ちょっと、どうしたの！！そんなに慌てて！」

先生のびっくりした様子が声で分かった。

？「あの、Aっ！A、居ませんか？！」

聞きなれた声…、翔音だ。
息が切れてるのがわかる。急いで来てくれたのかな…

先生「A？あ、もしかして、黒髪の女の子かしら。赤いピンで留めてる…」

翔音「はい、多分、その子ですっ！居ますか？」

先生「今はそこのベッドで寝てるわ。まだ少し、休ませてあげなさい。疲れてるんだから」

翔音「でも…っ」

先生「今は駄目よ。安静にしていないと、今度は倒れちゃうわよ。ね、貴方も部活中なんだし、後から来てあげなさい。」

翔音「…、分かりました。すみませんっ」

翔音に会いたいって思うけど、先生が言っていることは、確かだ。また、迷惑を掛けてしまうことになるかもしれない。
ごめんね…、翔音。

翔音と先生の声が遠のいていく。
今は、しっかり休もう。

後からまた来ます、と保健室の先生に伝えたあと、
翔音は、保健室から出ると、小さくため息をついた。

「俺がさっき、気付いてれば…。情けねぇなあ、俺。」
先程まで、自分がAといたのに、なにも気付いてあげられなかった事に、翔音は酷く反省していた。

なのに、部長は、気付いてたんだよな…？
それだけ…Aのこと気遣ってたのか……？
色々と考えが浮かぶ。

あーもーっ！だめだっっ！！そんな事考えてる暇ねぇのにっ

今は、Aが元気になるように、その事だけ考えよう。

翔音は、よしっ！と、気合いを入れると、校庭まで、走って行った。