検索窓
今日:2 hit、昨日:33 hit、合計:49,468 hit

ページ8

____



「 私の過ごしていた世界でも、対人関係は凄く鬱陶しくて、大変なものです。結局傷付くなら始めから関わらないでおこう、って思う気持ちになります 」



「 ……でも、友達や仲間とお話したり一緒に過ごすのは凄く楽しいです。ずっと独りでいるよりかは…あくまで私の意見なんですけどね 」



ふと、ネロの瞳が揺れて、そっと閉じられる。



「 ……そうだな、俺が今此処にいるのも、そういう事だったらいいんだろうな 」



「 はい…あ、会ったばかりなのに…こんなにペラペラとすみません… 」



人と関わるのが苦手というネロに、今日顔を合わせたばかりにも関わらず深く話し込んでしまって、しまった…と思う。



「 いや、あんたのお陰でちょっと気持ちが変わった気がするよ…寧ろ俺が謝りに来たのにな 」



首を振ってそういうネロに、確かに…と笑えば
ネロもまた優しく笑い返してくれた。
と思えば、落ち着かない様子でまた目線を左右に動かしている。



「 ……今度、何か一緒に料理でもするか?……あ、嫌だったらいいんだけどさ、」



「 ぜひお願いします! 」



誘ってくれた事が嬉しくて、胸の奥が熱くなる感覚がした。彼の心に私の言葉が少しでも届いたのだろうか。



「 決まりだな… 」



「 楽しみですね! 」



私達は話しながらすっかり朝食を食べ終えていた。
お皿を洗うからこっちに寄こしてくれというネロに、何だか何から何まで任せて申し訳ない気持ちに駆られる。



「 片付けまで任せてしまって… 」



「 あんたも結構人を気遣うんじゃなェか、、毎日俺がやってるから気にしなさんな 」



「 じゃあ、お言葉に甘えて 」



「 ああ、 」



ご馳走様でした と席を立って歩こうとする。



「 なあ……、Aさん 」



「 …あっ、はい!何でしょう? 」



「 ……ありがとな 」



いつの間にか私の方まで来ていたネロは、控えめで繊細な笑みを浮かべながらそう耳元で囁いた。安心感のある彼の声が、細い息遣いまで私の耳に届く。



彼の顔が私のすぐ横にあるせいで、サラサラとした水色の綺麗な髪の毛が触れて、擽ったい。



壊れそうな、ガラスに触れたような。



そのまま通り過ぎるネロを振り返れば



「 食べ終わったら、俺の所に食器を持ってきてくれよ〜 」



満腹そうに笑い合う魔法使い達に声を掛ける彼が見えた。

呪い____Faust→←⇒



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (112 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
214人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

rufu(プロフ) - No.3さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!モチベになります、嬉しいです…! (2023年1月29日 0時) (レス) id: e99adfba6e (このIDを非表示/違反報告)
No.3(プロフ) - カインが天才的にイケメンしてる…書き方上手ですね!! (2022年7月7日 7時) (レス) @page26 id: 5d07dd0044 (このIDを非表示/違反報告)
rufu(プロフ) - *ゆきうさぎ*さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!とても嬉しいです…!更新も出来ればと思っています。ありがとうございます…! (2021年6月14日 22時) (レス) id: ec4581993d (このIDを非表示/違反報告)
*ゆきうさぎ*(プロフ) - すっごく好きです…!!最近まほやくにハマったのですが、まほやくの夢小説ってなかなかなくて…。更新いつまでも待ってます…! (2020年7月14日 14時) (レス) id: f13975ef27 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:rufu | 作成日時:2020年2月16日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。