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結局あのままどういう返事をしたら正解なのか、そもそも正解があるのか分からずに帰路に着いた。
あれだけ落ち込んでいたはずなのに人に簡単に恋をできる自分の軽率さも、その恋が実は両思いであったという事実も私を混乱させるのには十分で、私もですと返したいところを踏みとどまっていた。
誰かに聞いて欲しくて久々にとある仕事仲間に連絡をした。
「急に呼び出すなんて珍しいね。スンチョルやソウォンには言えないことなの？」
「ごめんね。別にふたりに言えないわけじゃないけどあの二人に悩みを相談したらすぐ泣いちゃうから。特にお酒入ってるときは。」
「それもそうだね。それで俺呼んだんだ、なるほどね。」
「忙しくなかった？ごめんね、ジス。」
放射線の分野で働くジスは、高校で知り合って同じ医学部を出た仲である。
その高校にはスンチョル、大学にはソウォンもいてかなり長い付き合いだ。
「まあそんなジスに相談があるんだけど、好きな人から好きって言われたらどうしたらいい？」
ジスには幾度も相談をしてきたが、恋愛相談は初めてだった。私の言葉にジスは顔を歪めた。
「はあ？付き合えばいいじゃん。」
「そうかもしれないけどそうじゃないの！」
「だって、まだお母さんのこともお父さんのことも立ち直れてないのに。その人のことが好きとか嫌いとかじゃなくて、私の精神が二人がまだ居た頃に戻れてないの。」
ジスは、私の涙を片手で拭った。
後輩にキツく言ってしまって、私らしくなくジョンハンさんを呼んでみたりして、一人でいるのが怖くなっていた。
「でも、その人がAを助けてくれたんじゃないの？」
「両親を亡くしたときに現れてくれた、その人が。」
あの出会いは、奇妙なものだった。悲しみに昏れていた私はあのときジョンハンさんが居なければどうなっていたのだろう。
「さすが、ジスにはなんでもお見通しだよね。」
「最終的にはAが決めることだろうからあまり強く言えないけれど、Aも幸せになりなよ。」
「うん、よく考えてみる。」
ジスと一緒に言葉を選びながらジョンハンさんのカトクに文字を打ち込む。
『ジョンハンさん、少しだけ時間をください。あの事故から私が立ち直れたときまた連絡してもいいですか。』
『こっちこそ苦しいときにごめんね。いつまでも待ってる。』
続く (更新停止中)
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作者名：lim | 作成日時：2024年1月17日 17時
