星屑の水槽 (ページ6)

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「ごめん！！！」

翌日、同僚兼親友のソウォンにいきなり謝られた。

「昨日Aに迷惑かけたの私の直属の子でしょ。私からも強く言っておくから。」

「いや、全然大丈夫だよ。それにジョンハ....仲良くしてる先生にも昨日話し聞いてもらってスッキリしたから。」

ソウォンには言っていいかなとも思ったけれど何となくジョンハンさんの名前を出すことに気が引けて名前を伏せて伝えた。

しかし遅かったのか、ソウォンは少し驚いた顔をしていた。

「ねえ、A。もしかしてユンジョンハン先生と付き合ってたりするの？」

ソウォンから言われた衝撃的な言葉。水を飲んでいるときに言われたものだから、思わずこぼしてしまいそうになった。

「なにそれ。付き合ってないよー。仲良いだけ。」

「なーんだ、話聞いてもらった、っていうのもそうだし、昨日居酒屋で二人で飲んでるの見たからてっきり付き合ってるのかと。」

まさか見られていたとは。大して仲良くない人じゃなくて、ソウォンでよかった。

「そういうのじゃないよ、ジョンハンさんとは。」

「そうなのね。でもAはずっと彼氏いないでしょ。ユンジョンハン先生いいんじゃない？」

からかうようにソウォンは言うけれど、本当にそうなってくれたらどれだけいいことか。間違いなくこの感情が恋と呼ばれるということは知っている。

生憎、自分の感情に気づかないほど鈍感ではない。ただ彼とはそういう関係ではないのだ。

彼は私を救ってくれたけれど、きっと彼はそこにいたのが私じゃなくても助けたのだろう。

「A、気負いすぎないでね。いい人見つけてその人に守ってもらいな。」

ソウォンは事故のことは知っていても私が命を絶とうとしたことまでは知らない。ただ、大学時代からの友人であり、長い付き合いだからだろうか。きっと私が苦しい時期にあるということも知っている。

そして、私の恋心にも気づいているのだろう。それが誰に向くものなのかということも。

ふと自販機に向かうとジョンハンさんと綺麗な看護師が並んで歩いているのを見かけた。笑いあっていた。距離が近かった。ただそれだけのことだ。

「私って、こんなに余裕なかったっけ。こんなに恋愛下手だったっけ。」

私は、この感情の正体を知っている。

自分のことが嫌になりそうで、最低なことを彼に言ってしまいそうで、彼からの連絡は気付かないふりをした。