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41 緑 ページ41

緑サイド

泣きやんだマルは照れくさそうにそっと体を離した。うつむいて、どうしたらいいのかわからない様子に愛しさが込み上げる。

「マル?」

「…」

「ちょっとすっきりした?」

「…」

「え?」

「…ん。」

「そうか。なら、よかった。」

「…服…」

「服?」

「お前の服…」

「あ〜、ええよ。風呂入って着替えるし。それより、ちょっと横になり。疲れてるわ。」

俺の言葉に素直に横になるマル。そのまま目を閉じて、一瞬で眠ってしまった。

少し楽になってくれたんかな。恐ろしい思いを拭ってやりたくて、自然と頭を撫でていた。

「あ。」

頭を撫でながら思う。この部屋…監視カメラいっぱいやった。

「…」

ま、そんな四六時中見てるわけちゃうやろ。気にせんとこ。

そっと部屋を出る。とりあえず着替えをして、またここに…

「大倉。」

「ひっ…」

「ははっ!お前変わってないなぁ!」

おかしそうに笑う横山くん。ムッとして無愛想に答える。

「なに?」

「なにって、つれないなぁ。両想いの人はそんなに冷たくなるもん?」

「…両想いではない。」

「え?進展した?」

「え?見てたんちゃうの?」

「何も見てへん。カマかけただけ。そーかー!おめでとう!」

「いや、だからちゃうって。マルがここに残るって言っただけ。」

「え?両想いちゃうのに?」

「両想いとか…それは追々…」

「よぉ!色男!」

「はぁ…」

言い淀んでいると、ウキウキしたすばるくんの声。

「とりあえず任務は完了やな!」

「…見てたんや。」

「それは俺の任務なんでね。秘密は守ります。両想いはまだまだやろうけどなぁ。」

「…」

「大倉、落ち込むな。恋愛に焦りは禁物やで。」

「恋愛ベタのヨコに言われてもな。」

「すばる、俺を敵に回して大丈夫か?」

「あ!緊急招集やった!会議室に集合!!」



チームが集合して伝えられる新たな任務は政府の要人の保護。

「3人の要人が同時に狙われていると政府から連絡があった。」

「3人同時?」

「そう。2週間前にも同じ手口の犯行があって、結局その内の1人が狙われたんやけど無事救出されてる。」

誰が狙われるかはわからんということか…

「担当した警察に大きな被害が出たから、こっちにも話が回ってきた。共同作戦になる。」

「前の手口は?」

すばるくんが届いた報告書を渡してくれる。これは…

「動き出したな。松岡さんやろ。」

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作者名:orange | 作成日時:2023年12月29日 23時

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