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悔しそうにしてるけど、瞳をキラキラと輝かせるすばるくん。

「俺、昔から情報収集が趣味やったやろ?その時にこの組織に行きついてな。あまりにも進展せーへんからそのうち忘れてたけど、名簿まで入手しててん!まだ若い俺が!すごいやろ!」

「あ〜…そやな。」

横山くんと村上くんが顔を見合わせて笑ってる。

「そこに丸山さんの名前があってんな?」

「そう!すごい記憶力やろ!!」

「すばるくん、すごい!天才や!」

亮ちゃんが嬉しそうに手を叩く。

「亮はほんまにええ奴や。飯行くか。」

「うん!行く!!」

「こらこら、話終わってへん。マルは捨て駒にされたって言うてたわ。恨んでるんちゃうか、この国のこと。」

「そうかもしれんな。聞いてみなわからんけど。でも丸山さんが王家の血筋なのは確かちゃう?」

「なんで?」

「あの肖像画。みんなほんまに知らんのか?」

「え?」

「…勉強してないん?」

憐れむような視線をみんなに投げかけるすばるくん。

「お前に言われたないわ!どうせ、美人やったり裸の肖像画ばっかりジロジロ見とったんやろ!」

「はあ!?そんなわけあるかぁ!」

「図星やな。」

「ふんっ!まぁ。ええわ。民衆に殺された最後の王妃。でも晩年の王家の中では最も慕われていた。」

「えっ!?」

「その美しさと悲劇が相まって、亡くなってからも結構肖像画が書かれたらしい。それを収集したのがおそらくあちらさんのボス。」

「収集…」

「あ〜、王家の研究をしていたらしい。そこそこ名の知れた研究家やったみたいやで。」

「ボスがそんなことを?」

「若い時にな。そして王妃と出会い、一目惚れをした。」

「今で言う2次元的なことか…」

「そんな奴のところに現れてしまったんやな、丸山さんは。」

「そうか…それであんなに執着をしてるんか。」

「とりあえず今からその組織のことは洗い直す。母親が到着したら、何か知らんか聞いてみよう。」

「母親よりも丸山さんやったんや…」

「俺、何度か会ったけど、マルはきっと父親似やと思う。」

母親のために苦しい人生を続けてきたマル。感情のない表情の奥にある澄み切った瞳。王家の血筋か…

「丸山さんの看病は大倉がするやろ?しばらく2人は外に出ぇへん方がええし。寝たきりの世話は大変やろうけど。」

「やります。」

「じゃあ頼むわ。他のメンバーは次の動きまでしっかり体を休めといてくれ。」

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作者名:orange | 作成日時:2023年12月29日 23時

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