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緑サイド
「大倉ぁ。」
「え？」
「ニヤニヤしながら会議室に来るなよなぁ？」
「え、してへん。」
「してる。」
「マルの部屋、見張りとかいらん？」
「大丈夫やろ。俺たちみたいに敵のアジトに侵入出来るような奴はいてないからな。」
「わからないじゃないですか。」
「俺はなぁ、そういう勘が鋭いねん。」
「勘…」
「あ！ヒナ！こいつ今度は俺のことバカにした！」
「大倉、頭ええからな。」
「ビビリやけど。」
「…」
「ビビリは、それやから頭ええんや。恐怖心は飲み込まれなければ思考を深める。銃の腕もいいしな。いや、俺をバカにしたことのフォローは！？」
「まぁまぁ。大倉、一応言うとくけど、あの部屋、穏やかそうに見えてガッツリ監視部屋やから。」
「…」
「何を黙ってんねん。」
「もっと早く言うといてよ。」
「え、まさか、すでになんかした…？」
「ちゃう。これから。」
「こらこら、片想いのくせに見栄はるな。」
「口説くのは得意やし。」
「女には通用するけど、マルはわからんで？」
「…」
「ははは、そう言うてやるな。」
会議室に集合したのはマルの情報を整理するため。丸山隆平という人物について、すばるくんには思い当たる事があったらしい。
「20年前くらいかな、この組織の前身とは別に、ほんの数年の間組織された子どもたちのチームがあったらしい。」
「子どもたち？」
「そう。優秀な子どもを集めて国のために働かせるのが目的。子どもたちは短期間で諜報員として育成され、10代のうちに他国へ送り込まれた。」
「意味がわからん。」
「そう。意味がわからん。わかったのは、その子どもたちが王家の血筋らしいということ。」
「は？王家？セレーネの王家なんて、おっそろしい昔に滅んでるやろ。」
「あまりに酷い政策に民衆が反乱を起こし、王家の人々は処刑された。」
「生き残りがおって山奥か国境に逃げたんやなかった？」
「そういう説もある。あまりに古い話で最早真実はわからんけどな。」
「ドラマとか小説とかはあるやん。おもろいで？」
「歴史研究が色々されてるからな。想像を膨らませるのは楽しいやろ。」
「なんでそんな滅んだ王家の血筋を集めたんや。」
「王政復古を謳う政治集団はあるけどな。」
「そもそもその血筋、どうやって調べたんやろ。純粋に王家の血筋なんては残ってないやろ？」
「直系はおそらく途絶えてる。情報源がどっかにあるはずやねん。でもわからん。」
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作者名：orange | 作成日時：2023年12月29日 23時
