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「ウッ…」

「わ!」

人の声に驚いて声を上げる。…また横山さんにスパイ失格やって言われるな。

先客がおった。洞穴の奥に光をあてる。そこにはうずくまるマルの姿。

「マル!」

「ハァ…ハァ…」

「マル…苦しいんか?」

息が荒い。そういえば、地面が崩れる前、マルのうめき声が聞こえたような…

「撃たれたんか?」

そっと体にふれる。

「ウアッ!…」

「す、すまん、痛いんか?」

「ハァ…ハァ…」

息も絶え絶えにマルがこちらを見る。目をうるませ、顔を真っ赤にしたその表情に、思わず釘付けになった。

「お…くら…?」

「そ、そうや。どうした?苦しいか?」

「ん…苦し…」

冷酷なマルから想像できない甘えたような声に、めまいを覚えるほど気持ちがぐらつく。

「ハァ…苦し…お願い…」

腕を引っ張られ、そのまま…

「ンッ…」

「マル…ンンッ…」

混乱する頭。激しいキスに抗うことができない。

「大倉…」

何これ…夢?キスの合間に囁かれて、手が導かれる。

「ハァ…」

マルのたまらん声に理性が飛びそうになる。

「ンッ…マル…マル!分かってんのか!おい!」

何とか引き離してマルの肩をつかむ。そこには俺を求めてすがるマルの瞳。

「苦し…グッ…」

自分で何とかしようと、うまく動かない手を自分に持っていくマル。

「お前……」

慎重に体を探る。すると肩に何かが刺さっている。

「ハァ…ツッ…」

麻酔銃…?注射筒の針がしっかりとマルの肩に刺さっており、液体のようなものが入っていた痕跡がある。

「なにこれ…ただの麻酔じゃない…?なんで?」

頭に浮かぶボスの姿。殺さず、でも苦しめて動けないようにするためか…?

「ウッ…やだ…」

泣きながら悶えているマル。意識せず込み上げる愛おしいという想い。

知らないうちに自然と腕が伸びる。そしてマルの頬を包み込みこちらを向かせた。

「マル…」

涙でいっぱいになったマルの瞳は恐ろしく澄んでいた。

「泣くな。楽にしたる。」

貪るような口づけ。マルの興奮が心地良い。俺を求めて何度も縋ってくるマル。

「して…最後まで…して…」

抵抗はなかった。ボスと二人でいる姿には正直嫌悪があったのに、マルを抱きしめ体を合わせることはすごく自然なことのように感じた。

「ハァ…」

俺を受け入れたマルの満たされた表情。俺が動くたびに喜びに歪む。それがあまりにも魅力的で、マルがおさまるまで、俺は何度もその求めに応じた。

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作者名:orange | 作成日時:2023年12月29日 23時

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