検索窓
今日:8 hit、昨日:36 hit、合計:6,379 hit

15 緑 ページ15

緑サイド

「よーし、荷物もオッケーやし、服装もバッチリや。行くぞぉ!」

遠足のようなノリに拍子抜けしたけど、3人の動きには隙がない。車に乗り込み国境を超えるため山道に入る。

「…静かやな。」

「静かすぎるやろ。」

村上さんの呟きにヤスさんが答える。その時大きく車が揺らいだ。

「クッ…防弾タイヤやねんけどなぁ。お前ら、ちゃんとつかまっとけよ。」

そう言った村上さんは、道から外れて森の中に突っ込んていく。

「ブレーキが効かん。何や腕のいいスナイパーがおるな。」

マル…

ふと浮かんだ名前。あいつ、まさか俺を追ってんのか…

「よしよし、落ち着けぇ。」

木にぶつかりながらスピードを和らげていく村上さん。緊迫した場面のはずやのに、いつもの明るい声に不安が半減する。しかし、すごい技術やな。

「みんな無事か?」

車がようやく止まり、村上さんが声をかけてくれる。誰も怪我はなく、ある程度の荷物を持って、ボロボロになった車から外に出た。

「敵は?」

「こっちに向かってるんちゃう?はよ動こう。」

「ん。森で視界が狭い。用心せーよ。」

銃を構えながら走る。しばらくして、辺りに少しの違和感を感じた瞬間、村上さんが動いた。

「引き付ける。お前ら先に行け。」

小声で素早く出された指示。村上さんが違う方向に走り出したと同時に銃の音。

「行くで。」

「援護は?」

「大丈夫や。」

さらに走っていると、新たな気配に今度はヤスさんが別の方向に走りながら敵を誘う。

森の中に響く銃声。2人は無事なんやろうか。

「大倉さん、このままこの方角に進んで。横山くんが待ってる。」

「でも…」

「ええから。」

次の瞬間、亮さんは後ろを振り返って銃を発砲する。小さなうめき声。

「進め!」

その声に後押しされて前に進む。みんながかばってくれたんや。何とかして横山さんに会わないと。

周りに意識を張り巡らせて走りながら、ふと強い殺気を感じて立ち止まった。

誰かいる。

銃を構えながら暗闇に目を凝らすと、ゆっくりと近づく影。

「マル…」

片手で真っ直ぐに銃を構えた冷酷な瞳。

「行こか。」

抑揚のない声。

「無理やと言ったら?」

「抵抗するならここで撃つ。」

その言葉に銃を握る手に力を入れた。

「俺に勝てると?」

マルの言葉に汗が流れる。

どうする…逃げるのは不可能や。マルとの距離が縮まる。このまま一旦捕まって…

16→←14 橙



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
設定タグ:倉丸 , 関ジャニ∞ , 丸山隆平
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:orange | 作成日時:2023年12月29日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。