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通話の切れたスマホをしばらく眺める。章ちゃんはほんまにすごい人。愛情のかたまりみたいな人。尊敬する。
「…はぁ。」
「あ…」
大倉さんの深いため息。恨めしそうにこちらを見てる。
「ほんま、ヤスと喋る丸山さんはいい顔してる。」
「それは…、やっぱり尊敬する先生なので…」
「どうせあいつ、俺のことええ奴やみたいなこと言ったんでしょ？」
「え…よくわかりましたね？」
「あいつは昔からそういう奴なんですよ。友だち想いで優しくて、全部が思いきり魅力的。まあだから、自慢の友人です。」
「…いい関係ですね。羨ましい。二人とも本当に素敵です。」
「ありがとうございます。自分の気持ちもあったやろうにな…。そんなあいつに応援されたんなら、益々頑張らないとだめですね。」
ん？あれ、じゃあ…二人とも僕と同じということか。
「あの、お二人って…」
「あ〜…違いますよ。あいつは唯一無二の親友です。ヤスは生きている全てのものに愛情を注げる奴やし、そういう対象で見たこと無いんですよね。」
「それだけ大切にしあっているのに？」
「何と言うか…60を過ぎても相手がいなければ、ルームシェアくらいはしたかもしれませんけど…やっぱり親友という言葉しかあてはまらへんな。」
そんなこともあるんだ。若い頃の僕にそんな人がいたら、すぐに相手を好きになってたやろうな。
そこからは幼い頃からの二人の話。章ちゃんは兄貴肌だけど、結構天然なエピソードが沢山。
「それこそ芸術家って感じでしょ？」
「確かに。完璧すぎないからこそ、さらに魅力的ですね。」
二人であれこれ話していると、一瞬でマンションの前に到着していた。
「ありがとうございました。気をつけて帰ってくださいね。」
「丸山さん。」
少しの距離が一気に縮まって、大倉さんにぎゅっとハグをされる。
「好きです。おやすみなさい。」
「わ…」
「はは！『わ』ってなに？めっちゃ真っ赤やんか。ほんまにかわいいわ。」
「そりゃ、そうなるでしょ。」
照れたことが恥ずかしくて、少しムキになって答える。目があった大倉さんがなんとも言えない表情をした。
「俺、きっとまだまだ全然あなたのことを知らないんだろうけど、こんなに何かを欲しいと思ったのは初めてです。」
「大倉さん…」
「これ以上おったらますます帰りたくなくなる。また連絡しますね。」
少し大きな背中を見送りながら、何故か胸に寂しさが込み上げた。
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orange(プロフ) - いつもありがとうございます。この場所があって、たくさん倉丸ちゃんに浸れるので、日々の活力になっています。また見に来てください！ (2023年1月23日 22時) (
レス) id: 12b1e8c154 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - お疲れ様でした。いつも物凄く楽しみにしています、この二人のお話が少ないので強火の倉丸担オタクとしては最高に嬉しいです。次回作も楽しみに待ってます。 (2023年1月23日 8時) (レス) @page32 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2023年1月7日 21時
