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「すみません、僕も入ります。」
何階か尋ねると同じ階。先に降りるようにうながされて、到着した階に降り、部屋番号を確認しながら歩く。
「ん？」
なんかさっきの人もついてくるんやけど。気になりながらも目的の部屋を見つける。
「え？」
「え…？」
「ここに用？」
「あ、はい。」
そう答えると急に睨みつけるような視線に変わる。
「誰？」
「え…？」
「あんた誰？」
「あ…えと…」
「マルかぁ？」
玄関の扉が開く。
「あ、村上さん…」
「わ！ヨコ！？」
「お前、この人誰やねん。」
「誰って、マルや。」
村上さん、説明になってない。
「お前が熱出して休んだいうから来てみたら、そういうことか。」
「は？お前に連絡したら圏外とか言われて、どうしようかと思ってたらマルが連絡をくれてやなぁ…」
「ほんでほいほい家に呼ぶんか！」
「別にほいほい呼んでるわけちゃうわ！」
「ちょ、ちょっと、あの…」
「だからお前は誰やねん！」
「お、落ち着いてください。会社の同僚です。いつもお世話になってる丸山隆平といいます。」
「同僚？」
「言うとったやろ、危なっかしい奴がおるって。すまん、マル。とりあえず二人とも入って。俺しんどい。」
「あ。」
「ヒナ、掴まれ。」
「ん。」
これ…俺は入ってええの？明らかにこの二人って…
「マルも入って…」
「あ、はいっ！」
ヨコと呼ばれた人が村上さんをベッドまで運ぶ。さっきまでの勢いはどこへやら。めっちゃ優しい表情で村上さんを寝かせて布団をかけている。
「ちゃう。体温計はそこ。」
「あ、わかってたわ！えと、薬は…」
「これとちゃいます？」
「おう。知ってたけどな。」
なんか、子どもみたいな人やな。
「ヒナ、お前はゆっくり寝とけ。」
「でも…」
「俺がおるから。」
「ん。」
なにこれー！！村上さん、乙女やん！
「マル、ありがとう。」
「あ、いいえ。じゃあ僕は帰りますね。お大事に。」
そのまますっと眠ってしまった村上さん。すごい。この人がいて安心したんかな。
「えーと、丸山さん。」
「はい。」
「すんません。なんか失礼な対応をしてしまって。」
「いいえ。」
「俺、同じ会社の人事部にいる横山裕です。」
「え、あ、すみません、同じ会社でしたか。」
「いえ、俺もわかってなかったんで。でも丸山さんといえば営業のエリートですね。」
「は？」
「いつもトップクラスの成績でしょ。すぐに気づけなくて申し訳ない。」
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作者名：orange | 作成日時：2022年12月27日 14時
