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「マル兄様、俺も抱っこ!!」
「こら亮…俺が先やし!!」
「父しゃま、順番抜かしは悪い子です!」
父親になっても相変わらず甘えてくれる2人。
「ふふふ。いつまでもにぎやかね。」
「ヒナ様。」
「今日は、キミタカ様と忠義様が港へ視察に行かれたのですから、午後の会議もあなたたち3人でお願いしますよ。」
「何を仰いますか。ヒナ様がいなければ話が進みません。」
この数年、ヒナ様は政治に興味を持たれ、様々な政策を実現されてこられた。兄上は自慢のパートナーだと、ますますヒナ様にぞっこん。我が国は安泰だ。
「ただいま。」
「忠義様!」
お帰りになった忠義様を抱きしめて迎える。
「ん。ちゃんとキスもして。」
「はい。」
忠義様には必ずハグとキス。お帰りの時は俺からしないと拗ねてしまわれるから、今日も心を込めてキスをする。
「ん。」
「お疲れでしょう?」
「隆平様も会議ばかりで疲れたでしょう。」
「わたしなど、忠義様に比べれば何てことありません。」
「それはあなたがよくお出来になるからですよ。ほら、明日は休みだし、わたしに癒しを与えておくれ。」
ソファに誘われて、忠義様の優しい手が俺を引き寄せる。
「ハァ…」
「今日は1日中、この瞬間のことばかり考えていたよ。」
「忠義様…」
激しくなる口づけが思考を奪っていく。
「かわいい…」
あたたかい手に包まれて、探られて、気持ちよさに期待がふくらむ。
「ふふ…こんなにして…」
「だって…アッ…忠義様…」
「なに?」
「早く…」
「ん?」
「早く…ください…して…」
足を高く持ち上げられたら、すぐに忠義様で満たされる。見つめあって、余裕のない表情にお互いに釘付けになる。
「隆平様……」
「ハァ…好き…もっと…」
目が眩む刺激に何度も意識を失いかける。
「いいよ……ハァ…」
忠義様が眉間に皺を寄せる。なんと魅力的な表情…またドキドキと胸が波打つ。
「グッ…隆平様…もぅ…」
忠義様の荒い息づかいに自分の恐ろしく甘い声が重なって体が解放を求める。
「ハァ…ダメっ…アッ…も…アッ…っああ!!」
激しく打たれる体。忠義様の体温が一気に下がる。
「忠義様…」
愛おしさがこみ上げて来て、忠義様を抱きしめる。
「このままお休みになって。わたしがこうして抱きしめていますから。」
「ん…」
すっと力の抜けていく体。頭に何度もキスを落として、眠気に身を委ねた。
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作者名:orange | 作成日時:2022年1月30日 19時