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「すばる。そなたが地獄に落ちて、好き放題しているのは知っている。もう十分であろう。何が不満なのだ?」

「不満など無い。俺は欲しいものを手に入れるだけ。そのように美しい魂は、久しぶりだろう?」

「知らぬ。」

「フン。ん?ハッ!お前!!俺の足をっ!!」

「さらばだ!隆平様は返してもらうぞ。」

「くそぉー!!」

恐ろしい叫び声の中、忠義様の腕に抱かれ、ものすごい速さで飛び立つのを感じると、すぐに見慣れた景色の中にいた。

「ご無事で…よかった…本当に…隆平様…」

抱きしめられ、顔中にキスをされ、再びきつく抱きしめられる。訳の分からない恐ろしい経験と、ずっと待ち望んでいた幸せな時に混乱していると、バッと肩を捕まれた。

「どうして旅になど出たのです!!」

「え?」

「こんなことをしてはなりません!」

激しい口調に驚きながら、でも忠義様が目の前にいることが嬉しくて、自分から思わず抱きついていた。

「あの…隆平様…。これではあなたを叱れませんよ。」

「忠義様…ウッ…お会いしとうございました…」

「隆平様…」

忠義様のあたたかい腕が、あの時のように包み込んでくれる。

「あなたがそのように言ってくださるなんて…。なんて幸せなのでしょう。」

「毎日…毎日…あなたのことばかり考えておりました。」

「それはわたしも同じです。」

「で、では、なぜこれまで会いに来てくださらなかったのです!」

「え?」

「約束をしてから1年以上。わたしはあなたがくださった指輪と、あなたのお名前と、あのお約束を生きがいにして…」

「うれしい!!」

ぎゅっと抱きしめられる。うれしいって…

「わ、わたしは怒っているのです…ンンッ…」

頭を引き寄せられ、忠義様の口づけに溺れていく。夢のように甘美な時間…

「かわいい…」

囁きながら繰り返される口づけに、身も心も溶けていく。

「隆平様…わたしの…」

催眠術にでもかかったように、求められるまま答えていく。体が…熱い…

「忠義様…」

「はぁ。このような愛らしい顔、他の者には見せられません。」

「え?」

「なんと魅力的な顔をなさるのですか!少し飛びますよ。」

「わっ!え?」

明るく美しい部屋。どうなってるの…?

「ここは結界の中。いくらすばるでも入ってこれません。傷も癒えたでしょう?」

「すばる…?結界…?」

「隆平様…わたしの腕の中に。そう…愛しい隆平様…もう1度…」

「忠義様、わたしは訳がわからないのですが…」

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作者名:orange | 作成日時:2022年1月30日 19時

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