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「こちらに…隆平様がおられるはずです。ぜひ会わせていただきたいのです。」
「隆平様…というのは？」
「こちらにおられるはずです。忠義様と婚礼をあげられた…」
「あれは名もない捕虜です。丸山帝国からわざわざおいでいただくような身分のものではありません。」
「いえ…間違いなく隆平様です。私が見間違えるわけはありません。隆平様は記憶喪失だったはずです。しかし、最近記憶が戻られたのではありませんか？」
「…」
「隆平様の記憶が戻ることで、わたしも記憶が少し戻ることになっていたと思うのです。でも、ぼんやりとしていて、それが確かなことなのか…」
「どこで隆平を？あなたはこの国で暮らしておられたのか？」
「はい。ここからは少し離れておりますが、行き倒れていたわたしを拾ってくださった方のもとで、商人として働いておりました。記憶がないことは不安でしたが、優しい方々に囲まれて日々を過ごしていたのです。」
「それが急に記憶を取り戻した？」
「はい。数週間前、はたと思い出しました。わたしは丸山帝国の隆平様の侍従だったと。」
「数週間前…？」
「はい。戸惑いました。名も生まれ育った所も何も覚えていませんでしたから。それが一気に押し寄せてきた。」
「それで？」
「記憶が戻る前、結婚式のパレードを仕事仲間と見に行っていたのです。その帰りに買った肖像画を見て、隆平様だと…」
「なるほど。」
父さんが俺の方を見る。隆平が記憶を取り戻したのが確かに数週間前。嘘はついてないやろう。
「安田章大さん。確かに、わたしのパートナーは丸山隆平です。仰るように、数週間前に記憶を取り戻しました。」
「やはり。隆平様が心底信用できる方に出会えた時、記憶が戻ることになっていたと思います。」
「そうですか。それで、あなたは何のためにここに来られたのですか？」
「隆平様は…術のことは…？」
「術のことは、隆平から聞いて知っております。」
「そうですか。ではご理解いただけると思います。私たちはまだ完全に記憶が戻っていません。わたしはとにかく隆平様に会わなければならないと刷り込まれています。」
「会うことでまた記憶が戻ると？」
「そう思っております。」
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orange(プロフ) - kkoyanagiさん» いつもありがとうございます！感想いただけてとてもうれしいです。また頑張ってみます！ (2022年1月27日 19時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 完結お疲れ様でした。でももうこの２人のイチャこらを読めないのはめちゃ寂しい。ぜひぜひ次作をよろしくお願いします、楽しみに待ってます。 (2022年1月27日 8時) (レス) @page38 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» ありがとうございます！まさかコメントをいただけると思っていなかったのと、丁寧なお言葉に、ものすごく癒されました！！こんな拙い文章で申し訳ないですが、読んでいただけてうれしいです。 (2022年1月22日 13時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - モヤモヤした気持ち、少し分かるような気がします。その中で更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています、orangeさんのペースでの更新待ってます。 (2022年1月19日 8時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 星がなんぼあっても足りない…… (2021年9月15日 8時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年9月3日 7時
