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「平和…ではあったのかな…。でも見せかけの美しさ。怖いくらい整然としてて、感情がない。御子と同じように、国全体も自我がなくて、感情がなくて、向上心もなくて…。ただ存在してるだけやった。」
「怖いな…」
「うん。文化も科学も忠義の国とは比べ物にならないくらい遅れてる。一部の御子の恩恵に預かったものだけが一時裕福になり、それを見ている周辺のものたちは、その力に頼ってなにもしない。忠義の国の方がよっぽど世界平和に貢献してる。」
「そんなこと…」
「国民の生き生きした様子。自然のあたたかい美しさ。俺の国にはないものや。」
「…」
「おじいさんがずっと俺に言ってた。活気のあった国を取り戻して欲しいって。そのために一度この国を出ろって。」
「おじいさん、すごいな。」
「うん。昔は生き物すべてが輝いてたらしい。たくさんの生命があるなかで、ぶつかることだって当然ある。それは戦争まで行ってしまってはいけないけれど、必要なことやって。波風を立てないのが良いことじゃない。術の力が神の御子に下されたことの意味を考えなあかんって。」
「おじいさん、すごいな。」
「うん。たぶん、神の御子はみんなそんな感情を持っていたはず。それが巧みに封じられてきた結果が今の神の国やねん。」
「変わらないとあかんねんな、神の国も。」
「うん。そう思う。そう。それをするのが俺なんやって、思ってた…と思う。」
「そこはまだ思い出せへんねや？」
「う〜ん…。いまいちピンとけーへんなぁ〜…。ん…？あれ…？」
「ん？」
「あれ？神の御子って１人だけ子どもを持つというのではなくて、１人だけ力を持つ子が出来るってことなんかな？」
「え？あ！」
「弟なんて…存在すんの？」
「でも…情報として弟って出回ってるんやろ？」
「おかしいと感じる人がいないってことやんな…？…そもそも神の御子の詳しいことなんか、みんな知らんのやろうか…」
「『章大』という人がキーパーソン？え、もしかして、弟じゃなくてやっぱり恋人？駆け落ち？」
「え…？駆け落ち…なんかな…」
「え！嫌や！駆け落ちなん！？」
「いや…え…そんなこと…」
「隆平…」
「そんなことは…たぶん…」
「…ないとは言われへん？」
「…思い出した記憶しかないから、はっきりとはわからへんねんけど…。俺…自分で術をかけたん…」
「うん。」
「きちんと愛する人と出会って、きちんと自分の名前を呼ばれて告白されたら、過去を思い出すって。」
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orange(プロフ) - kkoyanagiさん» いつもありがとうございます！感想いただけてとてもうれしいです。また頑張ってみます！ (2022年1月27日 19時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 完結お疲れ様でした。でももうこの２人のイチャこらを読めないのはめちゃ寂しい。ぜひぜひ次作をよろしくお願いします、楽しみに待ってます。 (2022年1月27日 8時) (レス) @page38 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» ありがとうございます！まさかコメントをいただけると思っていなかったのと、丁寧なお言葉に、ものすごく癒されました！！こんな拙い文章で申し訳ないですが、読んでいただけてうれしいです。 (2022年1月22日 13時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - モヤモヤした気持ち、少し分かるような気がします。その中で更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています、orangeさんのペースでの更新待ってます。 (2022年1月19日 8時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 星がなんぼあっても足りない…… (2021年9月15日 8時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年9月3日 7時
