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りゅうのこと、ちゃんと受け止めたいと思って、本名であるらしい丸山隆平という名で呼んでみる。一瞬固まって、腕を掴まれて、それでも構わず軽くキスをした。唇を離すとそのまま固まっているりゅう。
「りゅう？りゅう！」
「ﾊｧﾊｧ…」
そのうち息が荒くなり、頭を押さえて座り込むりゅう。ぎゅっと小さくなって唸っている。
「りゅう！どうした！？」
整わない呼吸。でも、片手を伸ばしてくるから、しっかりと握って抱きしめた。
「ﾊｧﾊｧﾊｧ…」
どれくらいそうしてたのか。そのうち落ち着いてきて、りゅうがぐったりと体を預けてくる。
「りゅう？大丈夫？」
呼びかけにゆっくりと顔をあげる。一瞬よくわかっていない様子のりゅう。でも、次の瞬間には俺に痛いくらいにすがりついてくる。
「りゅう？どうした？しんどくなった？」
「…思い出した！でも、忠義のことが消えちゃう。お願い。キスして。」
「え？」
「忠義…ﾁｭｯ…」
「ん…」
りゅうから息ができないほどのキス。戸惑っていたけれど、何か必死なものを感じてそれに答える。
「ﾊｧ…このまま…抱いて…」
りゅうに求められるまま、色っぽいりゅうに沈んでいく。
「ﾝｯ…忠義…」
「りゅう…」
「もっと…ﾊｧ…お願い…っ…もっと…」
これまでになく大胆なりゅうに、どんどんのめり込んでいく。
「名前…呼んで…」
「ﾊｧ…りゅう…」
「ﾝｯ…ちが…ぅ…名前…」
「隆平…」
「ﾊｧｯ！！…ああっ！！忠義っ！…」
「隆平…」
「ああっ！」
名前を呼ぶと激しく喘ぐりゅう。いや、隆平なんやな。激しく動いてそのまま２人で果てる。
「ﾊｧ…忠義…ﾊｧ…こっちきて…忠義…」
「隆平…どうしたん？」
「ﾊｧ……怖い…忠義を忘れたら…」
「忘れる？なんで？」
「術をかけた。忠義……目ぇ見て。俺のこと、愛してるって…言って欲し…」
「隆平、愛してる。」
「ﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…」
まっすぐ…そのまま貫かれてしまうんじゃないかというくらいまっすぐ見つめられる。
「…大丈夫。うん。大丈夫。忠義。俺の大事なパートナー。忘れない。」
「りゅう…」
「ﾊｧ…ごめん、忠義。心配させてしまったな。ごめん。もう大丈夫。」
「ほんまに？」
「うん。抱きしめて。」
首にすがりついてくる隆平をしっかりと抱きしめる。
「俺のこと忘れそうになったん？」
「…記憶が一気に戻ってきて、忠義の顔を見なかったら忘れてたと思う。」
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作者名：orange | 作成日時：2021年7月6日 7時
