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「素敵な所やな。」
「そうやろ？」
「うん。もっと道を整備して、ホテルや商業施設を誘致したら、立派な観光地になる。」
「その通り！」
「ふふっ、何それ。」
「安定した収入を得ることが出来るようになったら、今度は金を流通させてもらわんとあかんからな。金持ちがどんどんお金を払うような仕組みをこういうとこでも作っていかな。」
「でも、中流階級にどうお金を使ってもらうかちゃうかな。老後まで安心して暮らせるような保障とか考えていけば…」
「そやな…」
「どうしたん？」
「りゅう…」
「ん？」
「仕事の話、やめよ。」
「え？ははっ！ほんまや。真面目やね、俺ら。」
「ほんまに。純粋に楽しもーや。」
「あ！あれなんやろ？ここの名産かな？食べよ！おじさーん！これ何〜？」
「ちょっ…りゅう！急に動くなって！」
それから一週間。母さんの城で過ごした時みたいに甘い甘い２人の時間。何にも変えることのできない、大切な時間を２人で思う存分過ごした。
◇
「忠義様。鞠からの報告があるそうです。」
「あれ、結局今日になったん？なかなか連絡がつかへんって言ってたけど。」
「はい。鞠自身が丸山帝国の方へ行っていたそうです。」
「え！」
「直接聞かれますか？王が忠義様に任せると仰っていましたが。」
「りゅうは…どうやろ。」
「りゅうも聞きたいでしょう。どうせ聞くのであれば一緒に聞かれた方がいいと思いますが。」
「そうやな…。」
りゅうの体力がすっかり戻って、会議は元通り宮殿でおこなっている。りゅうは、外に出すのはめっちゃ嫌やったけど、きちんと仕事に行くという形を取るために、家から出て、宮殿の別棟で働いている。
「じゃあ、呼んできて。」
「はい。」
◇
「忠義、りゅう。」
「陛下、私のためにすみません。」
「家族のことや。出来ることするのが当たり前やろ？」
「ありがとうございます。」
「りゅう、鞠や。」
「りゅう様。その節はご無礼なことをいたしました。何卒…」
「いえ、あなたは手当てをしてくださいました。命の恩人です。ありがとうございました。」
「りゅう様…そんな…」
「これからもよろしくお願いします。」
「…はい。ありがとうございます。」
「鞠、丸山帝国まで行ってきたんやろ？」
「はい。しかし、王宮というのか、神がおられる屋敷には、やはり入れませんでした。」
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作者名：orange | 作成日時：2021年7月6日 7時
