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目覚めると目の前に愛しい忠義の胸板。格好いい。ドキドキする。いつまでもこんなに気持ちって続くんかな。はぁ。こんな風にしっかり抱きしめてくれて、なんて優しい人なんやろう。
「起きた？」
「え？」
「ふふっ…なんなん、え？って。」
「だって寝てると思ってたから。」
「りゅうが起きたらわかるよ。いや、分からんときもあるか。」
「うん。」
「まぁ、ええわ。早く顔見せて。」
寝起きの顔を強引に引っ張られて目の前に忠義の顔。酷い顔やと思うから必死に下を向こうとして、余計変な顔になる。
「りゅう、なんちゅう顔してんねん！」
「だって引っ張るんやもん！」
「もう！ほら、ﾁｭｯ。おはよう。」
「ﾁｭｯ。おはよう。」
「見て、ぐちゃぐちゃやで。」
「わぁ…やらかしてるな。」
「激しかったもんな、りゅう。」
「…」
「ふふっ。さ、抱っこするからシャワーしよ。」
とても王子とは思えないマメな忠義に支えられてシャワーを浴びてすっきりする。バスローブのままリビングへ行き、ソファに座ると、朝ごはんが用意されていた。
「ほんまにすごい。」
「何が？」
「勝手にご飯が準備されてて、なんか知らん間に色々片付いてて。どっかで覗かれてんの？」
「そうやで。」
「え！！」
「(笑)嘘やん！嫌やろ？全部覗かれてたら。」
「うん。ほんまに大丈夫？」
「まぁ…たぶん。」
「…怖い。」
「しゃあないよ。守られるってそういうことや。でも、この屋敷の中には俺かりゅうが呼ぶまで入らないようにってなってる。様子がおかしいってなったら別やけどな。」
「はぁ、よかった。」
「…覗かれてたら興奮する？」
「へ！？」
「(笑)」
「もー！！あ…。寝室を片付けるのは自分でします。」
「え、もう片付いてるで。」
「えー！！嫌やぁ。恥ずかしい！」
「そうか？」
「そうやって！」
「でも…今日に限ったことじゃないやん。」
「あ…ほんまや。なんか結婚式したら意識してもーた。」
「…興奮するやろ？」
「もう！やめって！」
「(笑)」
それからご飯を食べて、部屋着に着替えてソファで寛ぐ。
「座っててしんどくない？」
「ん。ありがとう。」
「新婚旅行さぁ、考えてるんやけど、とりあえず母さんのとこに行って、そっからこの国の観光地に行ってみーひん？」
「うん！この国のこともっと知りたい。」
「うん。りゅうに知って欲しい。じゃあ、出発は明日ね。今日はのんびりいちゃいちゃや。」
「ふふっ…うん。」
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作者名：orange | 作成日時：2021年7月6日 7時
