80 ページ37
「すごい…めっちゃ便利なもんがたくさんあるやん。」
「ほんまやな。宮殿の調理器具ってなんか古くさいもん多いしな。」
「いや、大切に使ってるってことじゃないの？」
「やっぱこういうのは最新のものじゃないとあかんわ。」
「でも…いいものじゃないとすぐにだめになってしまうやん。」
「最新を試して、よかったらいいもん買えばええねん。」
「…お金持ちや。」
「ふふっ。まぁね。」
「わ、どや顔ー！」
「しゃあない。金持ちなんやもん。」
「(笑)。あ！忠義、あれ食べたい！」
「はいはい。ほんまに食い気ばっかりやねんから…。先に調理器具選ぶの！」
「あ、はい。」
「それから、りゅう、勝手に離れたらあかん。」
「あ、はい。」
「ほんまにすぐにフラフラするんやから。」
「でも、王族の買い物に近づいてくる人なんていてないよ。俺…なんか偉そうに見えへんかな？恥ずかしいし、申し訳ないねんけど…」
「そんなん考えんでええねん。まぁ、来週には結婚式や。そうなったら国民にも顔が知れて今度は本気で買い物しづらくなるんやから。」
「今、俺ってなんやと思われてるんやろ…？」
「ん〜…友だち…？」
「…」
「ふふっ、なに？それはそれでショック？」
「…うん。」
「もー、ほら、選んだで。他に欲しいもんあるか？」
「ううん。」
「じゃ、美味しいもん食べて帰るか。」
「はい！」
◇
「はぁ…」
「忠義様。本日はおめでとうございます。」
「ん？あ〜、横山か。」
「何をそわそわしとんねん。」
「だって〜！だって一昨日から別々の部屋やねん。りゅうがどうなってんのか全然知らんねん！」
「あのさ。これから戦争とか各地への視察やら、そんなんあったらどうすんねん？」
「戦争はせーへん。俺が生きているうちはさせへん。視察は一緒に行く。１日も離れへん。」
「はいはい。ラブラブで結構なことです。」
(ｺﾝｺﾝｺﾝ)
「はい。」
「とーちゃ。」
「父さん！」
「おお！お前たちか。」
「とーちゃ、格好いい。」
「そうか？」
「とても素敵です、お父様。」
「お前もええ服着せてもーて、よぅ似おてるわ。」
「父上、おめでとうございます。」
「たつ。ん。なんか色々複雑やけど、よろしく頼むわ。」
「複雑ですが、大きな家族です。」
「そう言ってくれると何かうれしいわ。」
「ではみんなで教会にいます。」
「ん…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：orange | 作成日時：2021年7月6日 7時
