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「りゅう、元気そうで何よりや。」
「わがままをしてしまったのに助け出してくださり本当にありがとうございました。」
「バカ息子のせいでとんでもない思いをさせてもーた。すまんかったな。」
「と、とんでもない！！亮様も本当にありがとうございました。」
「亮様ちゃうし。」
「あ、亮ちゃん。」
「りゅう兄が復活してほんまにうれしい。ほんまによかった。」
「亮ちゃん…ありがとうございます。」
「横にならんで大丈夫か？」
「はい。」
「だが…込み入った話になる。部屋を変えよう。」
お父さんと亮ちゃんと忠義と。俺に話があると言うことで、お父さんの部屋を訪れた。久しぶりの外出。救いだしてもらってから数ヶ月たって、２人にようやくお礼を言うことが出来た。
「そこに座れ。しんどくなったら横にもなれるから。」
「はい。ありがとうございます。」
「りゅう兄の隣！」
「あかん！そこは俺や！」
「おい、忠義。」
「はい。」
「そこは俺や。」
「ちゃう！！」
「兄さん相変わらずうっさいわぁ。」
「あ、あの！」
「りゅうが困ってるやろ！はよ始めるで。」
そして語られる俺の過去らしいこと。
「丸山帝国？」
「なんか思いあたらんか？」
「はい。」
「地図を見てみろ。この国や。」
「…私がわかるのは、村上様や忠義様に教えていただいたことしかなく、あとは本で知ったり、新聞で知ったことしかありません。過去の知識は全く覚えてないですし、何も思い出せません…」
「そうか…。どうやらお前はその国の皇子らしい。」
「…は？」
「その国で謀反があり、皇子とその弟が行方不明や。」
「いや、私は…。そんな…皇子？」
「名前は丸山隆平。」
「りゅう…へい？」
「ああ…。忠義がつけた名前も間違いではなかったと言うことや。」
「それは…あの…すごいんですけど…。私が皇子だなんて…そんな…」
「ただの皇子ちゃう。神の国の皇子や。」
「神の国…？」
「世界の始まりの国、丸山帝国。不可侵で、戦争や争い事に無縁の国であった。それが…皇子が他国へ逃げなければならないほどのことが起こった。」
「いや、それは確かなことなんですか？こんな…私のようなものが…」
「りゅうは少し前までよう夜中にうなされとった。」
「え？」
「そして、寝言でよく、しょうたって叫んでた。」
「しょうた…？」
「うん。皇子の弟が章大って言うねん。」
「でも…」
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作者名：orange | 作成日時：2021年7月6日 7時
