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「俺さ、りゅうの寝言で起きることがあんねん。」
「え？」
「早く逃げろ！って…。お前たちの命のほうが大切やって…」
「それは…」
「あと…しょうたって名前が出てくる。」
「しょうた…？」
「うん。もし…もしりゅうの恋人とか…パートナーとかやったらって思ったら…めっちゃ怖いねん。」
「忠義様…それで最近…」
「まぁ、そうやな。仕事は確かに忙しいんやけど、そんなんなんとでもなんねん。でも、りゅうのことになったらめっちゃ臆病になる。あいつを失ってしまったら…俺は…」
「忠義様。大丈夫です。りゅうは忠義様のことしか考えてませんから。」
「…」
「悩みも楽しいことも、話の全部が忠義様のことです。いつもほんまに幸せそうな顔で話してくれますよ。」
「村上…」
「しょうたという名前、調べてみましょう。父上も探ってくださっているということですから、何かヒントになるかもしれません。」
「…うん。頼んだ。」
「はい。じゃあ、はよ帰ってください。わたしも久しぶりに忠義様と話が出来て楽しかったですわ。またきみのこと、よろしくお願いします。」
「俺も。悩み事が、言えるのって結局お前やねんな。ほんでいつも横山と２人で解決に協力してくれる。いつもありがとう。」
「身に余る光栄です。では、少し動きます。忠義様はりゅうのことよろしく頼みます。」
◇
「ただいま。」
「おかえりなさい！」
「ん。ﾁｭｯ…」
「…」
「どした？」
「なんか…」
「え？」
「あ、ううん。ごはん食べますか？」
「うん。でも先に風呂入るわ。」
「はい。」
村上には相談できたけど、やっぱりしょうたって名前がめちゃくちゃ気になってる。はぁ。あかん。こんなことしてたらあかん。りゅうが心配する。こういうの敏感やからな。とっくに俺が悩んでいることに気づいてるやろ。
「りゅう？」
「はい。」
不安そうな顔。涙で潤んでる。そっと頬に手を伸ばすと自然とその手にすり寄ってくる。かわいい。ほんまに失いたくないねん。
「りゅう…」
キスをして、りゅうに溺れていく。俺のことだけ考えて。他の男の名前なんて呼ばんといて。声に出来ない気持ちをひたすら訴える。
「ｸﾞｯ…も…」
「りゅう…愛してる…」
「ｸｯ…はぁあっ！…んっ！…」
俺の言葉に素直に反応してくれるのがうれしい。愛してる。ほんまに。その言葉で喜んでくれるりゅうに安心する。りゅうも俺のこと、愛してくれてるんやな。
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作者名：orange | 作成日時：2021年7月6日 7時
