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「お前、先にシャワー浴びろ。服は洗濯機に放り込んどいて。」
「でも…たっちょんが…」
「俺は先に服とか準備するから。先に入り。」
「うん…」
マルが上がってきて、服とドライヤーと水と指示したら、自分も同じようにシャワーを浴びる。上がってくると、マルがソファで小さく三角座りをしていた。
「マル…」
「…たっちょん」
「ほんまに…どこ行ってたん？俺…めっちゃ…」
「ごめん、突然…」
「ちゃんと説明して。」
あの日、マルのお父さんはすぐに行動した。全ての連絡系統を切って、マルと亮ちゃん親子とご両親でそれこそ本当に隠れ家のような所に移った。マルの家もきれいさっぱり。その後一気に捜査が進み、事件は王族に恨みのある人の仕業だとわかった。すぐに処理されて事件は終わったはずなのに。
「俺が戻りたいって言っても、家から出してくれなかった。たっちょんにも連絡したかったのに、電話もだめ。ずっと毎日閉じ込められて…」
「なんでそんなこと…」
「危ないからって…。でも…俺…」
「どうした？」
顔をあげたマル。涙をためた瞳でじっと見つめられる。久しぶりやな、マルの瞳。いつも憧れてた。この瞳に見つめられたいって…
「たっちょん…」
名前を呼ばれて体が進む。そっと頬を撫でる。たまらん心地よさが指先に伝わる。
「マル…」
そのまま吸い込まれるように唇を合わせてた。ただじっとその感触に浸る。しばらくして唇を離すと、マルを見つめ返す。
「マル。好きや。」
信じられないというように見つめられる。切ない瞳が色を失くす。なんでそんな顔すんねん…
「…うそ…そんなん…うそや…」
「ほんまや。俺はマルのことが好き。マル。俺と付き合ってほしい。」
ポロポロと流れる涙。首を力なく横に振る。
「だって…だって俺…男やし…だって…」
「俺はマルがいいねん。マルがおらんくなってその気持ちが本気やって自分でもわかった。」
「だって…」
「マル。お前の気持ちを聞かせてほしい。」
「…俺は…俺の好きな気持ちは…誰にも届かへんて…」
「マル。マルの返事、聞きたいねん。」
「…たっちょん…ｳｳｯ…」
「うん。」
「俺…たっちょんが好き。会えなくて、苦しくて苦しくて…」
「マル…」
腕の中に抱きしめる。
「たっちょん…ｳｳｯ…たっちょん…」
「マル…好きやで。」
「ん…俺も…俺も好き。」
抱き合って頭を撫でて。不思議なくらい腕におさまる体。幸せが全身に広がる。
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orange(プロフ) - ありがとうございます！コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年3月21日 20時
