17 ページ17
「え…それやったら首都におった方が…」
「それが、首都では気持ちがしんどくなることが多くてな。でもここにはすっと馴染まれた。」
「そうなんや…」
「他にも言い伝えは色々ある。御子の体内に美しい宝玉があるとか…手に入れれば巨万の富を得るが、すぐに滅びるとか…」
「すごい話やな…。で？なんで父さんが命を狙われんの？」
「利用しない手はないだろ？国を滅ぼしたい奴なんて五万といる。御子の研究者もいるんだ。隆平様の情報を得た奴が動いてもおかしくない。」
「そうか…御子の気持ちが落ち込めば世の中が傾くなんて…」
「ああ。本人を殺してしまったらどうなるのかはわからないが、御子が病むことで世間に与える影響は計り知れない。」
「そういや、父さんが倒れたとき、すごいきつい雨やったな。」
「そう。隆平様が御子だということが確実に知られてしまったと考えている。あり得ない時期の台風や大雨、巨大地震なんかも、隆平様の気持ちに関わってくるらしいからな…。警護はさらに厳重になる。」
「そんな…。」
「それと、神の御子は必ず男性らしい。そして必ず同性を愛する。」
「え…」
「直系の子孫を残さないように出来ていると考えられてるが…」
「なんか…すごいな…。マルは知ってんの？」
「いや、これは知らされてない。御子はパートナーからの愛で心を保つらしい。だからその人が見つかれば、隆平様に真実が伝えられる。」
「それはすばるくんじゃないんや。」
「わからない。でも、あの人と会うとき、必ず天気が悪い。」
「そうか。何でなんやろ？マルが望んでんのにな…」
「そうだな。運命が他にあるということだろう。」
「そう…」
一気に知ることになった真実に頭が混乱してるけど、でも確かにマルと天気は繋がってるように思う。
「今のお相手と終わるときにどうなるのかが心配されている。出来るだけ寄り添ってあげて欲しい。」
「わかった。」
「それと、サンターニャ国へ行って様子を探ってほしい。多くの企業があそこに集まってる。様々な情報がそこで交換されているはずや。」
「え…俺に出来るかな。」
「もちろんお前１人じゃないが、SPじゃないからいいんだよ。自分の勉強をしながら、協力してほしいんだ。」
「マルのためか…まぁ、やってみる。」
「頼んだよ。隆平様の、ひいては世界平和のために。どの国も穏やかに助け合ってここまで来たんだ。一部の欲のために壊されてはいけない。」
「ん。わかった。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
orange(プロフ) - ありがとうございます！コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：orange | 作成日時：2021年3月21日 20時
