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「隆平…来てくれると思っていたよ。ますます綺麗になった。よく来てくれたね。」
目を輝かせて隆平を見つめる犯人。気持ち悪い。なんやねんあいつ。
「僕は今日、あなたと話をしに来ました。」
落ち着いて噛み締めるように話し出した隆平。犯人に見つめられても怯んでない。
「今日来ることはわかっていた。お前の気配があったからね。よく顔を見せておくれ。」
「やめてください。あなたのわがままでたくさんの人が不幸になりました。」
「隆平…そんなことはどうでもいいんだよ。私とお前さえいればそれでいいんだ。」
「僕はあなたとは生きていきません。あなたのことなんてなんとも思っていないし、近づいてほしくもない。」
「そんなことはない。私たちは運命の糸で繋がれている。」
「全ての人を不幸にする糸です。周りも…あなた自身も。」
「何でもいい。お前がいてくれたらそれで…」
「わがままはやめてください。」
「隆平。愛してる。誰よりも長く、深く、お前のことを愛しているんだ。」
「人を不幸にして得る愛なんてありません。」
「この世界に私とお前だけでいいんだ。」
「…あなたは僕の母を殺しました。」
「…」
「あなたは母のことを愛していたんでしょう？それなのに、あなたは思い通りにならない母さんを殺した。勝手な…わがままな気持ちで、命を奪った。」
「紗也は私を傷つけた。私というものがありながら目の前で違う男を選んだ。だから殺した。」
「あなたの身勝手で、母さんは殺されたんです。僕も…」
「そう…あの時同乗していたお前のことは何も考えていなかったな。だが、血まみれの車内からお前が出てきたとき、紗也が必死でお前に手を伸ばしているのに気づいた。」
「え？」
「もう動かないはずなのに、紗也の手が私には見えたんだよ。そしてお前の中にスッと消えた。」
「…」
「それからお前のことが気になってね。ずっと見てきたよ。虐待されても失わない優しさ、周りへの気づかい、見た目も性格も紗也に瓜二つ。」
「…」
「隆平。お前と紗也は同じなんだ。だから愛してる。私の愛を受けとるに相応しいんだ。」
真っ直ぐに隆平を見つめて話をする犯人の、揺るがない姿勢。しばらく沈黙が続く。
「隆平。」
「…」
「私の隆平。」
「…」
犯人が何度も隆平の名前を呼び出す。ゆっくり、深く…落ち着いた声で…。なんやろ…。隆平はじっと座ってる。さっきから表情は変わらない…
「ﾊｯ！あかん！！」
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orange(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当にうれしいです。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてよかった！丁寧な感想にうれしくなりました。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。強火の倉丸担なので更新が楽しみで楽しみで終わりが悲しくて寂しくて明日からどうしましょう。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 16時) (レス) id: 6da43e11fb (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 更新を楽しみにしてました。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: eb9a4761a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年4月8日 19時
