322 橙サイド ページ22
橙サイド
「忠義…こっちおいで。」
「ん。」
素直に腕の中におさまる忠義。泣きそうな顔して。そりゃずっと一緒に頑張ってきたんやもんな。
「淋しいな。」
「うん。」
胸に顔を埋めながら頷く忠義。
「ボディソープの匂い…好きやな…」
「そう？」
「ん…でもその奥にある隆平の匂いが一番好き。」
「なんか照れるわ…」
「…隆平は…どっこも行かん？」
「行かへんよ。行くわけないやん。」
「でも、前もその前も…りゅうはいっつも勝手にどっか行こうとするやんか。」
「それは…事故とか連れ去られたやつは何とも言われへんけど…この前のはほんまにごめん。」
「…怖いねんもん。」
「ごめん。自分から勝手に居なくなるなんてこと絶対せーへんから。」
「ほんまに？」
「うん。もう２度とせーへん。」
「父さんも…母さんも…いなくなった…」
「思い出してしまったん？大丈夫。僕がいるから。」
「でも怖いねん。人がいなくなるのが。」
「大丈夫。」
「…ｯ…りゅうがおらんくなったらどうしたらいいん！？」
「忠義。大丈夫やから。」
心の傷は深くて治らない。寄り添うものがあるから頑張れる。僕にとっては忠義で、忠義にとっては僕。頼ってくれるから自信になる。
「りゅうがいなくなったら…」
「大丈夫やで。たぁ。」
「りゅう…」
シャツの上から落とされるキスは敏感なところを探して動き出す。黙ってひたすら体をさまよう忠義。求められることが嬉しくて体が反応していく。
「りゅうに溺れたい…りゅう…溺れさせて…」
激しい忠義の動きに体が喜んでる。欲しくて…もっと欲しくて…声を出して求め続けた。
「はぁ…りゅう…」
なんて色っぽい声なん！内側から込み上げてくる震えと、忠義が弾けたのを感じて、幸せな気持ちに満たされる。
「隆平…。俺…幸せや…」
「うん。僕も、忠義のおかげで幸せやで。」
「隆平…離さへんから、離れんといて。」
「ん。離れへん。」
「はぁ。寂しいけど、隆平がいるから心に芯があるみたいな感じ。昔みたいにグラグラしてない。」
「そう…よかった。一緒に乗り越えよ？」
「うん。ﾁｭｯ。はぁ。いつまでも枯れないこの愛しさはなんなんやろ…。な？」
「ふふっ。うん。枯れへんなぁ。」
「あ、俺、意地悪されたからな！大野さんに。」
「え？大ちゃんに！？」
「ふんっ！敗けへんし。ちゃんと見といて。」
「ん、わかった。ショーの企画、よろしくお願いします。」
「任せといて！！」
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orange(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当にうれしいです。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてよかった！丁寧な感想にうれしくなりました。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。強火の倉丸担なので更新が楽しみで楽しみで終わりが悲しくて寂しくて明日からどうしましょう。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 16時) (レス) id: 6da43e11fb (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 更新を楽しみにしてました。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: eb9a4761a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年4月8日 19時
