321 青サイド ページ21
青サイド
「大倉ぁ、どうやった？」
「全然あかん。けちょんけちょんや。」
「え…」
「めっちゃ怖かったし。久しぶりに悔しいって思ったわ。」
「お疲れ様やなぁ。でも、なんかええ顔してるやん。」
「うん。まぁ、言われたとおりやった。あかん企画出してたわ。でも、今帰りながら思い付いたやつ、たぶんいける。」
「おお！よし、頑張れ！」
「おん！」
大倉がイキイキしてる。こいつもまだまだ成長していくんやもんな。新しい刺激にワクワクしてるんがわかるわ。俺も…俺らも頑張らな。
「大倉、ちょっとええか？」
仕事帰り、オフィスに残って大倉と話をする。このタイミングで大丈夫やろうか…
「大倉、忙しいとこ悪いんやけど、俺、外国で勉強してきてもええかな？」
「…え？」
「ちょっと前から考えとってんけど、一度どっぷり海外の空気吸ってやってみたいねん。」
「え？…えっと…」
「しぶやんには前から言われとって…。とりあえずこの会社で軌道に乗るまではって…」
「…うん。」
「勉強しながら向こうからデザイン送らせてもらう形で何とかいけるってしぶやんも最近言ってくれたから…」
「…そうか。え…あ…亮ちゃん…」
「亮も一緒に行ってくる。アクセサリーのデザイン、会って勉強したい人がおんねんて。」
「…どのくらい？」
「うん。まぁ、１年ほどとは思ってる。」
「あの…。…ちゃんと帰ってくる？」
「それは約束する。そもそも会社の研修という形にしてくれるから。」
急に体の力が抜けて座り込む大倉。まだ早かったかな。こいつを置いていくのはほんまに心配。でも、マルがいてくれる。
「大倉…」
「俺…いつも２人に支えられてたのに…」
「そやな。いつも一緒やった。」
「一人で仕事するなんて…」
「うん。俺らもめっちゃ迷った。でも遅くなればなるほど行けなくなるかなって…」
「…ん…」
「お前とマルのことも少し落ち着いたし、この機会にと思ってるんやけど…」
しばらく続く沈黙。自分から人が去っていくの、こいつにとったらほんまに大きいと思う。大倉が反対するなら…
「そっか。ヤス、頑張ってきて。ほんでパワーアップしたみんなで新しいもん作りたい。」
「大倉…」
「…心配してくれてるんやろ？」
「そりゃあな。息子のこと、心配なんは当たり前やんか。」
「うん。ありがとう。でも俺も頑張る。２人に恥ずかしくないように、乗り越えるから。」
「ん。わかった。」
「…必ず戻ってや。」
「約束する。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
orange(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当にうれしいです。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてよかった！丁寧な感想にうれしくなりました。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。強火の倉丸担なので更新が楽しみで楽しみで終わりが悲しくて寂しくて明日からどうしましょう。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 16時) (レス) id: 6da43e11fb (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 更新を楽しみにしてました。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: eb9a4761a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：orange | 作成日時：2021年4月8日 19時
