318 ページ18
「あなたはあなたの愛する人とこれから生きていくのよ。自分を信じて、彼を信じて、頑張りなさい。」
「ｳｯ…はい…でも…」
「ふふっ。丸山隆平くん！」
「え…はいっ！」
「もう泣かない！笑顔のあなたが大好きよ。どうか幸せになってね。」
「…ｳｯ…」
「返事は？」
「はいっ！」
「そう…いい子ね。愛してる。隆平。ほんとに。」
「母さん！僕も！僕も母さんのこと大好き。ずっと目標にしてた。母さんの太陽みたいな明るい雰囲気。ずっとそうなりたいって。」
「ありがとう。私の宝物。隆平。いつまでも幸せに。」
「母さん。産んでくれてありがとう。僕、必ずもっともっと幸せになるから！」
「うん。見守ってるからね。笑顔、見せて。」
「はい。」
「うん！素敵よ！じゃあね。」
「母さん…」
目を開けるといつも通り忠義の腕の中。落ち着く匂い。規則正しい忠義の呼吸。幸せや。母さん。ごめん、やっぱりちょっと泣かせてな。
「隆平？え？どうした？しんどい？」
寝てたのにな。すぐに僕のことに気づいてくれる。覗き込んでくる忠義の胸にしがみついて、頭を横に振ったら、そのまま思い切り泣かせてもらう。すぐにそっと包んでくれる忠義。僕にはこんなに幸せな場所がある。
「忠義…」
「どうした？」
「母さんとおった。」
「ん？」
「めっちゃ明るくて、元気な人で、僕のことほんまに大切にしてくれてる。」
「明るくて元気なんは隆平と一緒やな。」
「そう？」
「うん。」
「母さんのこと、目標にしてたって言ったら喜んでくれた。」
「そっか。」
それから母さんとの会話を全部忠義に伝える。母さんのことを少しでも知ってほしいって…
「隆平。泣かんでもええよ。焦らんでもええ。俺、最後までちゃんと聞くし。」
「ｳｯ…うん…ほんでな…」
忠義に励まされて、話せること全部話し終わった。
「お母さんに甘えてきたんやな、隆平は。」
「うん。なんか…子どもみたいで恥ずかしいな。」
「俺にも甘えてえーよ。甘えたな隆平見たい！めちゃくちゃよしよししてあげるからさぁ。」
「いや…あの、なんやろ…」
「よしよし。隆平。愛してるよ。」
「もー！」
「ふふっ。」
僕の大好きな笑顔を作った忠義。前に僕がしたように、胸にそっと手をあてる。
「お母さん、隆平のこと、大切にします。一生かけて愛しますから、見守っていてください。」
そっと囁くような優しい声でそんなことを言ってくれる。…泣くよね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
orange(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当にうれしいです。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてよかった！丁寧な感想にうれしくなりました。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。強火の倉丸担なので更新が楽しみで楽しみで終わりが悲しくて寂しくて明日からどうしましょう。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 16時) (レス) id: 6da43e11fb (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 更新を楽しみにしてました。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: eb9a4761a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：orange | 作成日時：2021年4月8日 19時
