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これ以上ないくらい満面の笑みで僕を誘う母さんに近寄るとフワッと抱きしめられた。
「ありがとう、隆平。たくさん苦労させてごめんね。よく頑張ったね。」
そんなことを言われて涙が溢れ出す。
「…ｳｯ…母さん…母さんっ…」
ほんとに子どもみたいに涙が溢れて、声をあげて泣きじゃくる。
「よしよし。隆平。あなたはほんとに自慢の息子よ。」
どれくらいそうしてたのか、泣き止むまで抱きしめてくれていた母さんとはじめてじっと向かい合う。なんか…不思議な感覚…。
「息子とはいえこんな男前に見つめられたら照れるわ。それにしてもお父さんにそっくりね。」
「え？」
「うん。やっぱり私の惚れた人は最高やわ。男前で優しいとこ、お父さんにそっくりや。」
「…はじめて言われた。」
「そう？」
「うん。僕は誰からも母さんに似てるって言われてたから。」
「あらそう？あれ…そうなのかしら…？」
「あの…そんなにじろじろ見られたら…照れる。」
「ふふっ。いいわぁ！いい顔してる！かわいい！」
「なっ…」
「ほんまにかわいらしいわぁ。彼もぞっこんやもんなぁ。」
「あ…」
「素敵な人見つけたね。」
「あの…」
「まぁ、母さんの常識ではちょっと戸惑いがあったけど。でも運命の人やと思う。」
「…うん。」
「素敵やわぁ。息子をこんなにキラキラさせてくれる旦那さん。素敵やぁ。大事にせなあかんよ。」
「はい。…母さんは…その…父さんが再婚して…やっぱり嫌？」
「嫌やぁ！！めっちゃ嫌！！私の旦那さんやもーん！…あ、ごめん、びっくりした？」
「うん。なんかごめんな。」
「なんで隆平が謝んの？」
「なんか…だって…」
「…運命は変えられない。もはや仕方のないことよ。私がもっと周りに危険を訴えていたら…。彼にもっと助けを求めていたら…。でも考えても仕方がないの。だから、私は生きている私の大好きなあなたと彼が幸せになることを願ってる。ほんとに。」
「母さん…」
「今はおじいちゃんもおばあちゃんもいて、生きている家族は幸せになって、気持ちがすっきりしてる。だから、お別れをね、しに来たの。」
「え…？」
「まぁ、お別れは小さいときにしたんだけど、これからはあなたの記憶の中に住まわせてね。遠くに行っても、誰よりも、何よりも、あなたの幸せを願っている。」
「…ｳｯ…母さん…嫌や…」
「よしよし。もう一度抱きしめさせて。」
「母さん…嫌や…」
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orange(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当にうれしいです。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてよかった！丁寧な感想にうれしくなりました。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。強火の倉丸担なので更新が楽しみで楽しみで終わりが悲しくて寂しくて明日からどうしましょう。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 16時) (レス) id: 6da43e11fb (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 更新を楽しみにしてました。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: eb9a4761a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年4月8日 19時
