316 橙サイド ページ16
橙サイド
「では気をつけて。様子がおかしいと思ったらすぐに連絡してください。」
「ありがとうございます。」
「先生…」
「丸山さん、大丈夫ですよ、ゆっくり休んでください。」
「はい。」
「すごく勇気のある行動で、一気に乗り越えられたこと、すごく驚いています。」
「乗り越えたかどうか…」
「大きな一歩です。きっと丸山さんにとって大きな力になりました。とにかく今日はゆっくりして、明日、自分の気持ちと向き合ってみてください。」
「はい…ありがとうございます。」
「隆平、水飲み。」
「うん。風呂どうする？」
「…なんか…着替えさせてもらったけど、吐いてもーたし、入りたい。」
「ん。じゃあ一緒に入るわ。」
「え、いや、ええわ。」
「なんでぇ？」
「１人でいけるし。」
「めまいがあるんやから。」
「だって…たぁの裸見たら…なんか…」
「えぇ〜？も〜、やらしーなー！めまいしてんのにぃ。」
「だって…」
「ふっ…わかった。じゃあ脱衣所におるから、話しながら入り。」
「…」
「え、あかん？」
「…優しい。」
「…惚れ直した？」
「惚れ直すんじゃなくて、もう沼に落ちてこれ以上ないと思ってんのにまだまだ落ちていく感じ。」
「よしよし。順調や。」
「いつまでも大事にしてくれてありがとう。」
「夫婦ですから。俺の運命は隆平と共にあるんでね。」
「…もう…あかんて。」
「真っ赤になってぇ〜！可愛いんやから！ほら、行こう。」
風呂上がり、眠たくて仕方ない僕のことを支えて、髪を乾かして、ベッドまで運んでくれる忠義。
「たぁは…風呂…」
「あとで入れそうやったら入るわ。でも１人にすんの不安やしなぁ。」
「今うつらうつらしてるときに、さっと行ってきて。」
「ん〜…やっぱ一緒に入ればよかった…。ほんならすぐ行ってくるし。もう寝ときや。」
「ん…待ってる…」
「ふふっ。ﾁｭｯ。わかった。おやすみ。」
待ってるって言ってんのにおやすみっておかしない？なんて思いながら、そのまま意識がなくなった。
「りゅ…へい…」
ふわふわとした空間。とても居心地がいい。とてつもなく穏やかで優しい雰囲気に包まれている感じ。名前を呼ばれて目を開ける。…あれ…あの別荘や…
「隆平。」
「え？…あ。母さん？」
「隆平。」
そこには僕の記憶にある母さんがいた。犯人にめちゃくちゃにされた別荘は、あの時とは違う太陽みたいな明るさで満ちている。
「母さん…」
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orange(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当にうれしいです。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてよかった！丁寧な感想にうれしくなりました。またよろしくお願いします。 (2021年4月17日 20時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。強火の倉丸担なので更新が楽しみで楽しみで終わりが悲しくて寂しくて明日からどうしましょう。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 16時) (レス) id: 6da43e11fb (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 更新を楽しみにしてました。これからも楽しみにしてます。 (2021年4月17日 14時) (レス) id: eb9a4761a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年4月8日 19時
