想 6 (ページ41)

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そっと戸がしまる。忠義がニヤッとしたと思ったら、急に立ち上がって両手を広げた。

「隆平。」

名前を呼ばれて反射的にその腕の中におさまる。

「ほんまに…そんなイライラせんでもええやんか。」

「え…」

「まぁ…感じてはれへんとは思うけど。」

「イライラしてんのわかったん？」

「うん。だって、俺もイライラしてたから。」

「え…んっ…」

突き刺すような色っぽい視線に震えて、そのまま忠義の激しいキスを受け止める。何も考えられない。ただキスの気持ちよさと、これからはじまる快感を想像して、興奮する。

「隆平……さわって…」

忠義の声が導くまま、言われた通りに体が動く。忠義の興奮が伝わって、手を動かすごとに吹き込まれる熱い吐息にクラクラしてくる。

「たぁ…」

「んっ…隆平…」

忠義の手が僕の服を寛げると、同じように手を動かしてくる。目眩のするような感覚に倒れそうになると、背中を強く引き寄せられる。

「ﾊｧ…」

あぁ…気持ちぃ…このまま永遠にこの時が続けばいいのに…

「隆平…一緒に…」

「ﾊｧ…ん…たぁ…」

２人で動きを早くして、そのまま気持ちを弾けさせる。互いの手に吐き出して、肩に頭を置いて、荒い呼吸がおさまるのを満たされた気持ちで待つ。

「隆平……温泉行こ…」

誘ってくれるけど、忠義の優しいキスで落ち着いたら、暖かい腕の中で安らいで動きたくなくなる。

「温泉…もぅいい…」

「ふふ、なんでよ。せっかく２人で入れんのに。」

「ここが好き。こうしてるのが一番幸せやもん。」

「そう？まぁ、俺もこうしてるのが一番の癒しかな。」

「ほんま？」

「うん。宝物を抱きしめて、満たされてる。」

「ふふ。うれしい。」

そっと重なる唇。もっとして欲しいのにすぐに離れてしまう。

「たぁ…」

「ほら、温泉行くよ。隆平のこともっと味わいたい。」

「ん…」

「隆平はもうこれ以上いらんの？」

「ん…いる。」

殺し文句を言われて、そんなん欲しいに決まってるやん。

「ふふ。それにしても…ちょっと誰にも見せられない格好してるな。」

「まぁ…しょうがないよね。」

「隆平が歩きながら色っぽい顔してくるから、周りから隠すのに必死やったわ。」

「え？」

「ほんまに。あんなん俺にしか見せたらあかんで。」

「だって…。忠義が格好良すぎるから…その…早く独り占めしたくて…」

「ﾁｭ。隆平だけのもんやで。」

じっと見つめられて固まる。やばい。

「ふふ。えぇ顔。さ、行こ。」