想 6 (ページ39)

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ゆっくりと神社をめぐって、お守りがたくさん並んでいるのに出会う。

「可愛い。ここって縁結びの神様やんな。」

お守りなんてあんまり持ったことないけど、せっかくやしな。赤色を男性、白色を女性が持つらしい…

「んーと、俺が赤かな。」

「なんか…恥ずかしいな…」

そう言って白のお守りを受けとる隆平。じっとお守りを見つめると凄くうれしそうな顔。

「こんなん好きやった？」

「キーケースも、財布もお守りも…めっちゃうれしい。」

「そっか。…ちょっと抱きしめたいわ。」

「ふふっ。そんなん言われたら、それこそめっちゃうれしい。僕らってラブラブやな！」

「(笑)。なにその言い方。パートナーがいつまでもこんなに可愛かったらそうなるよ。」

「ｳｯ…もう…。…ありがとう。」

照れながらお礼を言ってくれる可愛い隆平。

「…やっぱり抱きしめていい？」

「あとでね。」

「く～っ！たまらんくなってきた。」

そこから車で九頭竜神社までお参りをしに行き、少し戻って今度はロープウェイに乗って山頂までお参りしに行く。

「すごい景色やなぁ。」

山頂には今までで一番神秘的な雰囲気が漂ってる。不思議やけど、神秘的になればなるほど、そこに隆平が溶け込んでいくねん。隆平はほんまに神様からの贈り物なんかもしれへん…

「隆平…手ぇつないで…俺から離れんといて。」

「大丈夫？」

「うん。」

「でも、僕も手ぇ繋いでてほしい。なんか、この雰囲気に忠義を持って行かれそうやわ。」

「え？」

「忠義が神秘的に見えて、この景色に溶けてしまいそう。」

「…俺も同じこと思ってた。隆平が神秘的で…離したらどっか行ってしまいそうで、さっきから怖かってん。」

「お互いほんまに大切ってことやね。」

「うん。２人のことちゃんと神様に誓おう。」

「うん。」

それから今日３度目のお参り。神様の思ってる形じゃないから怒られるかもしれないけど、純粋な愛を神様に誓う。

「さぁ、行こうか。」

ふと、２人の周りがフワッと明るくなったように感じて、反射的にお社を振り返る。

「忠義…神さん…認めてくれはったみたいに感じるな…。」

「え？隆平も感じた？認めてくれたんかな。」

「うん。一緒に来れてよかった。なんか…結婚式したみたい…じゃない？」

「ほんまやな。隆平、ちゃんともう一回お辞儀しよ。」

２人で揃えて頭を下げて、見つめあって笑顔になって、手を繋いでもと来た道を帰る。

「またお参りしに来よ。」

「うん！」