想 6 (ページ37)

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橙サイド

「忠義って運転好きなん？」

「そやな。隆平の運転は恐ろしかったなぁ。俺、あんなに怖い体験したことないかも。」

「いいやん！もう運転せーへんし！」

「ごめんて。俺にとったら、そんな隆平が可愛いんやから。」

「え…ん…じゃあ、ま、いっか。」

「ふふっ。そうそう。隆平は俺に頼っててくれたらええの。」

「うん。あっ！サービスエリアで朝ごはん！！」

一番近かったサービスエリアに着いて車をおりる。歩きながら、格好いい忠義に見とれてボーッとしてしまう。

「隆平、早く！危ない。」

腕を引っ張られて、道路の真ん中やったことを思い出す。

「ほんまに、危なっかしいんやから。ほら、おいで。」

腰に手をまわされて忠義の隣を歩く。

「忠義って、僕のこと女の人みたいに思ってんの？」

「え？」

「いや、僕も男やし、忠義と同じくらい丈夫やで。」

「丈夫とかそんなん関係ないやん。俺のもんって思ってるから、なんか常に気になんねん。」

「ふわぁ～！……格好いい。」

「ふふっ…ありがとう。」

「僕も忠義のこと守るつもりやねんけど。ほら、手貸して。」

「いやいや、朝からそれはみなさんに刺激が強いでしょう。」

「あ…。え、でも…今腰に手を回して一緒に歩いてるんやけど…」

「まぁこれは、すごいくっついて歩いてるなぁって…」

「ならへんやろ。」

「そうかな。ふふっ。つまりは全部俺の思う通りに隆平のことをしたいの。だから付いておいで。」

「…はい。」

朝ごはんはなんと、納豆に卵かけご飯、お味噌汁というラインナップ。めっちゃうまそう！

「最近のサービスエリアは充実してるもんな。」

「なんか開拓したいな。」

「そやな。ドライブがてらそういうのもええかもな。」

飲み物を買ったら箱根へ向けて走り出す。好きな音楽もかけて、でっかい声で歌う。

「え！隆平、ハモりとか出来んの？」

「あ、何となくやで。」

「すげー。」

「いや、忠義も今めっちゃええ声でハモってたやん。」

「まぁね。好きやねん、実は。」

「じゃあ、みんなでカラオケ行こ！」

「みんな上手そう！すばるくんとか凄そうじゃない？」

「確かに。」

「ふふっ、俺は隆平のために歌うわ。」

「え！今から行こう！！」

「(笑)。お参りするんやろ。」

「わー！楽しみできたぁ！」

「隆平も俺のために歌うんやで。」

「え、緊張するわ。」

「なんでやねん。」

「じゃあ、練習しに今からカラオケ行こう。」

「(笑)。だから、お参り！」