想 6 (ページ31)

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「大倉！すごかったな！」

「は？」

朝イチから何の話をしようとしてんねん。ほんまにヤスは昔からこんなんや。

「いやぁ、すごかった。」

「(笑)。お前、そんな話朝からやめろって。」

「やっぱりそういうのも必要やんな。」

「いや、一人で納得すんな。」

「横山さんには色んなとこで学ばせてもらってるわ。」

「まぁ…」

「あ、大倉！ヤス！どうやった？」

「いやいや、だからぁ…」

「横山さん！めっちゃよかったです！また、色々教えてください！」

「そやろ！まぁ、任せとけ。」

「どこに情熱注いどんねん。」

「大倉、なんやねんお前、俺は関係ないみたいな顔しやがって。お前には教えたれへんからな！」

「…すみませんでした。」

「フッ。これで運命共同体や。」

満足そうな横山くん。おもろい。やっぱり兄貴みたいな感じの人やな。

「大倉。お前のデザイン見させてもらった。なかなかよかったし、光るもんもあった。」

ご機嫌な横山くんとヤスと別れて、すばるくんのオフィスに向かう。前に隆平と書いたデザインのことを褒めてくれた。

「とりあえず基礎を勉強し直せ。俺が見る。」

「お願いします。」

「それとな。」

「はい…？」

「お前、ショープランナーに興味ないか？」

「ショープランナー？」

「そうや。これからこの会社のものをどんどん発信していかなあかん。お前にはそのセンスがあると俺は思う。」

「え…と…なんで…」

「お前は素材の持ってるプラス面を引き出して生かすことが出来る。うちはまだショーに関しては伸び代がありまくる。勉強してみーひんか？」

「え…と…、ちょっと思ってもなかったから…でも…何でもやってみたいです。」

「ん。じゃあ大野智さんを紹介するから修行してこい。」

「あ、建築の…」

「そうや。もとはファッションデザイナーで世界で活躍してる。気さくやし、若手の育成も考えてはるから。」

「わかりました。」

「お前より先にマルと会ってもらおうと思ってるから、その後時期を見て声かけるわ。」

「はい。」

「あと、マルは大野さんのことめっちゃ好きやと思う。」

「ん？え、どういう…」

「大倉油断するなよってこと。」

「えー！嫌やー！」

「しゃあないやろ。まぁ、恋愛とかはないわ。」

「ほんまぁ？」

「たぶん。」

「えー！！」

「ははっ！まぁ頑張れ。マルの心が変わるとは思われへんから。」

「ほんまぁ？」

「…たぶん。」

「嫌やぁ～！！」