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緑サイド

大阪での仕事は順調。扱う商品もヤスが来てくれたことでより明確にコンセプトを伝えることが出来たし、横山くんのフォローは絶妙で、良い雰囲気の中、話が進む。

「今日のプレゼン、勉強になりました。」

「あ、ありがとうございます。」

「なんか燃えてきました！」

「え！あ、あの…こんな急に来て生意気ばっかり…」

「ちゃいますちゃいます！そんなん、嫌みとかちゃいますよ？」

「あ、すみません…」

「そんなん言う奴いませんよ、うちの会社。お互いを尊重しあって、それぞれが自分との戦いをしてる。悔しいこともありますけど、みんなで乗り越えたらいいんです。」

「すごい…」

「ははは。丸山親子に教えられてるかな。ほんまに尊敬できる人たちがいるっていうのは、会社にとって大きいですね。」

「ほんまですね。」

「あの２人、めちゃくちゃ人気ですし。」

「え？」

「社長なんかマダムに大人気ですよ。」

「へぇ～！確かに男前ですもんね。」

「ほんまに。あの年であのスタイルと若々しい笑顔なんて見せられたら、イチコロでしょう！」

「なるほど。あの…専務も人気っていうのは…」

「それはもう！男前だし、でもめちゃくちゃかわいいでしょ？きゃーきゃーうるさいからね。社員が。」

「そ、そうですか…」

「まぁ、大倉さんも、女性社員が騒ぎまくってましたよ。」

「え？」

「身長もあって、ほんとにモデルみたいだし。人気出ますね。」

「いや、そんな…」

「(笑)。とにかく、こちらも頑張りますので、よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

なんかいらん情報もゲットしつつ、あっという間に３日間の出張は終わった。帰りの新幹線。早く隆平に会いたくてそわそわする。

「大倉…。お前ほんまに分かりやすいな。」

「だって、やっとですよ！」

「そりゃ、俺らも帰りたいけど。」

「あ！俺さぁ…いいもん見つけてん。」

「いいもん？」

「うん。お前ら耳貸せ。ヒナちゃんに使ったら効果が絶大でさぁ。」

「は？いきなりそんな話？」

「いや、だってもう帰ったらそうなるやろ？」

「まぁ…」

新幹線の中で旦那連中が恐ろしい下世話な話をひそひそとしながら東京へ帰る。横山くんは得意気に実物を渡してくれた。

「横山くん、マメやな。」

「そやろ？」

なんかどや顔の横山くん。何とも言えない気持ちやねんけど、なんかうれしい。３人でゲラゲラ笑いながらこんな話できるなんて。なんか幸せやな。